「貧困家族の拭いきれない匂い。」パラサイト 半地下の家族 林檎さんの映画レビュー(感想・評価)
貧困家族の拭いきれない匂い。
手放しで面白いなとは感じられなかった作品。
半地下に住む貧困な四人家族が金持ち家族に取り入り、家庭教師、運転手、家政婦として家に入ることになる。
その四人が詐欺まがいの手口で家に入り込むまでがなかなかにダルい。兄の次の妹が美術教師として来るところまではよくて、その後、父、ってなったら母も、になるのは予想できるので、そのあとの展開が長く感じてしまった。早く次の展開がみたいなという気持ちに。
キーになるのが「匂い」
これが凄く良い。
この「匂い」のおかげで殺人まで犯してしまう。
半地下という、いくら良い職を手に入れたとしても、その体に染み付いた匂いは取れず、半地下に住む家族、また豪邸宅の地下に住む元家政婦の夫の「匂い」
最後の父を迎えに行くシーン。父に無計画であれば失敗することは無いと言われたのにも関わらず、息子は金持ちになる計画を立てる。金持ちになった息子は豪邸を買い取り父を地下室から迎え、息子と父は二人抱き合う。キッチン奥から庭を見渡す引きの画で撮られたシーンはすきでした。地下室に続く階段近くから撮ってるんじゃないのかな。
で、結局これ、夢オチなんですよね。。。私は裏切られた気分になるので夢オチ好きじゃないのだけど、それがリアリティがあると言うか、現実の辛さ、を痛烈に叩きつけます。
ただ、私は映画くらいは夢見させて欲しいタイプなので、分かりきっていようがベタであろうが、薄い軽いと言われようが、ハッピーに終わりたいわけで、そこも楽しめなかったポイントになりました。
と、いろいろ書きましたが、物語は重厚でとても良いです。
以下は物語とは関係ないのでお時間ある方に。
韓国特有の、女性が年上の男性を呼ぶ時に言うオパ。私にはまだ免疫がないのか、なにか違和感があるんですよね。そのままお兄さんって、訳されると、えっ?ってなってしまう。
涙そうそうで長澤まさみさんがことある事に妻夫木聡さんのことを「にいにい」と言ってましたが、あれはシンプルに甘え妹属性でいいなと思えるのは日本人なのだからでしょうね。