「韓国の映画を毛嫌いする人たちへ。日本人として茫然自失からの敗北感。」パラサイト 半地下の家族 momoさんの映画レビュー(感想・評価)
韓国の映画を毛嫌いする人たちへ。日本人として茫然自失からの敗北感。
いや、勝ち負けじゃないんだけど日本映画はもっとがんばれー!と思わざるを得ませんでした。
タクシー運転手~友情は国境を超えても喜怒哀楽全て持っていかれる素晴らしい作品でしたが、名優ソン・ガンホがまたしても運転手を演じているだけで期待値は高まります。
韓国に対する好き嫌いは置いといて観るべき映画というものがあるのです。
これを観ずして映画を語るなというレベルの日本人として茫然自失してしまう作品。
万引き家族で貧困というものを見せつけられ、安藤サクラや樹木希林、松岡茉優の好演でなかなか良かったと思っていたけど、パラサイトを観てしまうと敗北感しか感じない。
日本の俳優は個々には素晴らしいけれど日本映画は娯楽は提供出来てもだから何なんだ、何をやっているのだと負けを認めるより他はない。
ただ、天気の子の貧困による絶望の世界に差し込む希望の光や、「僕にできることはまだあるよ。」という美しきメッセージには泣かされたし、日本のアニメは日本人として誇らしい気もする。
これらの日本の二作品と同じように貧困を描いた作品で、更にここまで描ききったことに衝撃を受けずにいられませんでした。
各賞の受賞理由の評価に1ミリも狂いはない。
監督の力量、脚本も音楽も絶妙で。エンドロールで帰った人!あんたは大馬鹿者だ。
物憂げな美しいメロディで曲で余韻を楽しんだ後、ポップな曲が始まりその歌詞ときたら!
最後の最後までこれでもかと揺さぶり続けてくれる、観た後にしばらく席から立てない作品でした。