「お伽話のよう」パラサイト 半地下の家族 Kさんの映画レビュー(感想・評価)
お伽話のよう
映像が柔らかくてお伽話のように美しかった。その中に対比として貧乏を象徴する地下の臭いが漂い続けるのだが、それは語られ態度で示されるだけで、映画を観ている私達は実際に臭いを感じるわけではないので、私達はリアルで陰惨な現実に落ちることなく抽象絵画を鑑賞するように自由に感じることができる。芸術でありエンターテイメントでありながら、主張することなく伝える技法には感動と称賛しかない。雨の中、高台の豪邸からひたすら降って行くシーンが象徴的で素晴らしかった。あとは臭いを真っ先に感じ取った息子がモールス信号の助けてを読み取りかけたのは、ラストシーンと合わせて未来の希望を感じさせた。
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