「緩急への寄生」パラサイト 半地下の家族 じゃがりこさんの映画レビュー(感想・評価)
緩急への寄生
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Wi-Fiへの寄生から始まる本作は、さまざまな寄生(パラサイト)を実感させる
貧困層家族が富裕層家族へ寄生していく軸がメインと捉えられがちだが、その富裕層家族もまた家政婦やドライバーなどの貧困層家族へ寄生している
彼らがいないと何もできないのだ
もう一つ印象的なのが、緩急の付け方
コメディ・ラブストーリータッチをふんだんに入れつつも、その映像の中であらゆる情報を伝える
キャンプで不在となった家で騒ぐシーンでは、楽しい場面のはずなのにどこか観客を不安な気持ちにさせる
前家政婦がインターホンに映ったとき、"悲しい殺人鬼が現れた"と思ったのは私だけだろうか
だが、その予想も裏切られた
急
半地下生活で底辺にいたと思っていた家族に、そのさらに下である最底辺の地下空間が徐々に広がっていく様は、さらに観客をスクリーンの中へと吸い込んでいった
急
緩 急 緩 急 急 急
私たちも緩急に寄生していた
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アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞・外国語映画賞
本当に感動した
おめでとうございます
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