「「匂い」」パラサイト 半地下の家族 totocinema1973さんの映画レビュー(感想・評価)
「匂い」
浪人生の長男が友人を通じて偶然得た家庭教師の推薦を機に、社会の底辺に置かれた失業中の貧乏一家が、豪邸住まいの大富豪に徐々に寄生していく・・・ってな話だが、世の中そう巧く事が進むワケもなく、中盤以降は波乱満載のトンデモな展開に。
注目すべきは「匂い」。
映像では表現しにくい五感の一つだが、これが本作の鍵。いくら見た目を整えたとて、染み付いた生活臭は隠し切れない。いち早く気付くのが、年端も行かない子供って所が心憎い演出だが、勘の鈍った大人達には気付かれず事なきを得る。
巷ではスメルハラスメントと云うようだが、体臭は実際のところセンシティブな問題だ。異臭を感じていても直接相手に伝える事は憚られるが、ふとした切っ掛けで本人がその事実を知ってしまった時の耐え難さ、やるせなさといった表現が実に巧い。
カンヌ映画祭のパルムドールは正直ビミョーな作品が多いけど、良い意味で期待を裏切る面白さで御座いました。
それにしても・・・
隣国でも貧富の差が凄まじいのねん。
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