「トントン拍子からの」パラサイト 半地下の家族 nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
トントン拍子からの
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無職一家があの手この手でトントン拍子に寄生計画を進めてゆくコミカルな前半から、不穏な急展開に怒濤のクライマックスまで、どうなるかと目が離せませんでした。
俳優陣もそれぞれに良かったと思います。
父親役のソン・ガンホの、普通の調子のいいオッサン感からのクライマックスの緊迫感、やはり良いです。
主人公達が雨の中、夜の街をひたすらひたすら階段を下りて自宅に帰る場面は、富裕層との距離感、格差を象徴するようで、とても印象的でした。
冒頭にも主人公達の半地下の家と高級住宅との対比が示されていましたが、後半での富裕層と貧困層の対比、断絶、無関心を示すような描写は、やはり根強い格差社会の問題を意識させられます。
日本も他人事ではない社会情勢かと思いますが。
コミカルに描写されていた半地下の家が悲惨な描写に変わる喜劇と悲劇の表裏一体感、不穏な場面や暴力的な場面でも漂う妙な滑稽感など秀逸です。
バーベキューの肉を食べる犬とか、やはり適度にブラックなテイストも素晴らしいと思います。
父親の台詞で計画云々とありますが、計画を「希望」という言葉に置き換えられそうで、切なくなります。
ラストは、一応、息子に希望が感じられましたが。
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