劇場公開日 2020年1月10日

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「執念深さは韓国映画ならでは」パラサイト 半地下の家族 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0執念深さは韓国映画ならでは

2020年1月12日
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鑑賞方法:映画館

半地下の窓から立ち小便をする通行人が見える家に住む4人家族。友達の紹介で、学歴を偽って、高台のIT長者の娘の家庭教師に採用された長男をきっかけに、それまでいた家政婦や運転手を追い出して、次々と家族全員が取り入っていくさまは、コンゲームの雰囲気。奥様の時折の「イングリッシュ」や素頓狂な反応がくすりと笑わせる。
しかし、中盤の大雨の日から、想像を超える展開に。この映画のテーマである貧富の差、格差社会がはっきりと出てくる。下には下がいるという驚きも、朝鮮半島の現実からあり得る気もしてくる。
高台の豪邸の窓と半地下の家の窓、高台から下へ下へと流れる大雨、貧しい者から滲み出る臭い(文字通りの鼻つまみ)、象徴的でありつつ、画の力でしっかり見せている。「ジョーカー」といい、このテーマは全世界共通となっているようだ。
「オールドボーイ」を思い出したが、それにしても韓国映画の執念深さは独特だね。

山の手ロック