「ジェットコースター映画ここにあり!!」パラサイト 半地下の家族 あれっくすさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェットコースター映画ここにあり!!
序盤はコメディ、中盤はホラー、後半はサスペンス、そして全編を貫通する強烈な社会風刺のメッセージ。ひとつの映画でこれだけのものを表現出来るのはポンジュノ監督だからこそなせる技でしょう。
ポンジュノ監督がすごいのは、自身の作家性とエンタメ性の二つを高いレベルで実現出来る点でしょう。よく比較される日本の是枝監督(好きな監督です!)は作家性は高いけど、エンタメ性についてはポン監督が優れていると個人的には思います。ポン監督がアメリカで評価されている理由がよくわかります。
伏線は全て回収できるのですが、(インディアン好き)金持ちの息子が全て気付いていながらもなにも行動を起こさない点が不気味でした。傍観者をあそこに配置することになにか意味があるのでしょうか。監督に聞いてみたいものです。
上流と下流の水は混じり合うことはない。
そんな作品に仕掛けられたメタファー(隠喩)を読みとることで私達を傍観者から当事者へ持ってこされることが監督の狙いなのでしょうか?
圧倒的な映画体験を是非劇場にて!
決して見逃すな!
追記
アカデミー作品賞(外国語映画賞は確実)取ると思います!
「最も個人的なことが、最もクリエイティブなこと」というマーティン・スコセッシ監督の言葉を引用したポン・ジュノ監督に対し、場内はスタンディングオベーションで祝福。そして作品賞の発表で歴史が変わり、会場のボルテージは最高潮に達した。
予想が当たりました!
誰も褒めてくれないので、自分で
自分を褒めたいと思います!
壇上でのポンジュノ監督のがらないマーティンスコセッシへの敬意を込めたスピーチが泣かせてくれました。