ペイン・アンド・グローリーのレビュー・感想・評価
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ビジュアルは最高!ストーリーは、?
アルモドバル作品が大好きで、ほぼ全部見てます。
でも今回は正直、ストーリーにピンと来ませんでした。
あまり共感する部分がなかったからかな?
しかし、相変わらずインテリアは素敵だし、出てくる俳優さんも美男美女が多いし、ビジュアル的にアーティスティックなのはいつもと同じですごく楽しめました。
あのセンスは見事だなと、ホント毎回感嘆します。
あと、スペイン語の響きが好きで心地良かったし、まあ見て良かったです。
あと、最後のエンドロールに「オールアバウトマイマザー」のセシリア・ロスの名前を見つけ、どの役だったのかな?と思ったら、最初に出て来る女優さんの役だったんですね。
全然わからなかった…
難しすぎ
過去と現在を行ったり来たり、回想するのは良いとして、何をどう楽しめば良いのかわからなかった。
薬物の事はよくわからないけど、コカインとヘロインであんなにムキになるほど怒るの事か?とか、喉が痛いなら早く精密検査すればよいのに、とか、役者がゲイだったのか監督もゲイだったのか、何がなんだか???
サルバドール監督が若い時の回想で絵描きの青年が水浴びするシーンが有るが、チ○コ丸出しでモザイクも無かったが、映倫通過したんだなぁ、って不思議だった。
観終わったときに、やっと面白いと思えました
予告編を観たわけでもなく、興味があったわけでもなく…。ちょっと時間があったので、もう1本と思ったんだけど…。この作品を選んだのは、久しぶりに ペネロペ が観たいと思ったからでした。ペネロペ さん、相変わらず、ボン・キュッ・ボンのナイスボディでした。そして、笑顔の素敵な役。それに対して、アントニオ・バンデラス …。こんな顔してたっけ?って感じ。お髭のせいですかね。
前半は、サルバドールが、薬に溺れていく過程が描かれている。やれ腰が痛いだの、頭が痛いだの、そういうものに逃げたくなるの分かりますわ…って言わせたがってる映し方。でも、理解できませんから…と思いながら、この映画を選んだ事を後悔しました。でも、後半になって、自分の過去を作品として作り始めたあたりから、徐々に、面白くなってきた。ペネロペさんは、回想シーンの母なんだけども、それが、最後には…。観終わったときには、面白かった〜と思えました。結局、私って、こういうドンデン返しが好きなんですよね。単純…。
それにしても、あのシーン…。モザイクなくてビックリしたんですけど、あれって大丈夫なの?
サツゲキ復活!
スガイビル札幌劇場(サツゲキ)の復活した後に観た最初の作品。グラファンで寄付したため、入り口と予告で自分の名前がありることに狂喜。高校生の頃、「レッドツェッペリン狂熱のライブ」や「ウッドストック」などの音楽映画から始まり、大学時代は彼女(現在の家内)とデートで通いつめた思い入れのある映画館。
映画は自分はうーんっていう感じ。
勝手に「ニューシネマパラダイス」的な内容と思っていたし。
でも、スペインの風景とペネロペ・クルスはキレイだった。
最後の方に出てくる、ある人のある部分が大きくてビックリした。
医者目線で言うと、主人公が患っている病気をよくぞ診断したものと思う。
街が魅力的
まず、色彩に魅了されました。
サルバドールの部屋の装飾やインテリアも素晴らしい!
川での洗濯シーンから、幼少期に住んでいたバレンシアの村の洞窟も、すべて魅力的で、
過去〜現在を含め、撮影された場所たちを非常に訪れてみたい!
ヘロインで夢現の中で見る白昼夢のような過去の母親との思い出も
とても優しく強く温かく、自分自身の母との昔を思い出したり…
全体を通して愛に溢れ、観賞後、マドリッドの心地好い風が心に吹きました!!
アルモドバルの集大成
『神経衰弱ぎりぎりの女たち』『欲望の法則』など多数のペドロ・アルモドバル監督作品に出演してきたアントニオ・バンテラスが今回は、監督の分身としての役割を果たしている。
『欲望の法則』と『バッド・エデュケーション』では、主人公が映画監督という設定であったが、今回も映画館ということもあり、今作を3部作の3章目とアルモドバルは語る。
同一のキャラクターではないが、描いた欲望と映画の関係性や同性愛を描いていることに関しては、共通しているのだが、今作はバンデラスの演じるサルバドールのビジュアルから、明らかにアルモドバル自身の投影であることが色濃く出ている。
家の家具や絵画、靴や洋服もアルモドバルの私物を使用しており、髪型も似せていて、感覚的ではなく視覚的に仕上げてきていることから、半自伝的意識が強いものと思われる。
これまでの作品でも、同性愛、映画愛、そして母への想いといったアルモドバル自身の体験や感情を投影してきており、それがアルモドバルの作家性でもあるが、今作では、よりそれらを感じられる構成となっており、てんこ盛りの集大成とも言える作品だ。
ここまでやってしまって、次回どうするのだろうかという不安もあるが、『ジュリエッタ』や『アイム・ソー・エキサイテッド!』などといった、少し路線の違う映画も制作しているだけに、アルモドバルは70歳ではあるが可能性と将来性がいつまで経っても感じさせてくれるフレッシュな監督であるから、心配はないだろう。
アルモドバル作品の特徴は何といっても、芸術的なセンスと色彩感であり、今回もアルモドバルが好きな赤が全面に使われている。所々にベアブリックが置いてあることにも注目!
色を乱発して画面を散らかすのではなく、印象的なシーンに赤を使うことで記憶に残るという匠な色使いは見事であり、芸術色が強いといわれる要因のひとつである。小道具として制作された紙袋に描かれた少年時代のサルバドールの絵がいちいち素晴らしい。
何故、ここまで全編を様々なスタイルのアートで包むことができるのだろうか…
ずっと観ていたい
メインビジュアルとあらすじが上手く合致しなくて、気になっていた作品。
観て確認してスッキリ。
「これ、日本版ビジュアル作ったときにやらかしちゃったやつなんじゃないのぉ」なんて思っていてごめんなさい。このビジュアル、パーフェクトです。
主人公の憂い感とスペインらしい爽やかな色彩の対比が、何とも美しい!
どんな重たいお話なんだろうかとちょっと気構えていたのがウソのように、過去にグローリーを獲た人生のその後、様々なペインが深刻すぎず軽すぎず描かれていて、これはアート作品なんですね。
とても素敵でした。
少し笑い、少し感動、少し納得
少しでもアルモドバルなる存在を知っていれば、自身の物語が色濃く出ていると漠然とでも思えるような作品。何となく笑えて、何となく感動して、何となく納得できたかな─
期待を裏切らない色彩豊かな映像には魅了される。じっくりと眺めていたいシーンが一つならず存在した。
時代がノスタルジックに交錯しながら、終幕の仕方の非常にオシャレで、素直になんかいいと思えた気がする。
自分の人生に重ねあわせて観てしまった!
主人公サルバドールが監督を投影していることは明らかなのだが、母に対しての思い・喪失感というところが、深く心に宿っているところ。思わず滂沱の涙があふれたのは、母の望む田舎の村に帰りたいという願いを叶えてあげられなかった・・・と主人公が述懐するところ
人は愛することはできるが、愛を本当の意味で得ることは難しい。母に対して無条件の愛を求めたサルバドールにとって、その愛する対象の最後の約束が守れなかったということが、どんなに心の傷となったか・・計り知れない
愛する対象は移り変遷していこうとも、「オール・アバウト・マイマザー」なのだ。
すべての原点にあるもの!はかないが、よき祝福があるよう祈るきら星のような映画だ。
ペインって物理なのね
心が痛むペインかと思ったらフィジカルな痛みであるかゆえにむしろポップさとコメディさが引き立つ。
見ている間どうしてもペドロ・アルモドバルとアントニオ・バンデラスの作品を思い出してしまういろんな意味で自伝的映画。
ペドロ・アルモドバル監督ならではの人生賛歌
新型コロナウィルスが収まり切らない中で観たこのペドロ・アルモドバル監督の新作は、おそらく忘れられないものになるだろう。
監督自身を投影したと言われる初老の映画監督が主人公。過去の栄光を抱え今は病から精神的にもドン底状態で苦しんでいる。いわば隠居状況だ。過去の栄光によって舞い込んだ仕事から、ストーリーは回り始める。底辺だった彼に思いがけないことが起こり、彼は前に進み出す。すると状況もいい方向へと彼の背中を押す。・・・・これは人生を最後まで前向きに生きようという初老の主人公の再生の物語だ。
ノンフィクションならではのちょっとできすぎた感はゆがめないけれど、やはりこういう結末の方が気分がいいのは、この映画を見ている現在の状況のせいもあるのだろうか。あきらめてはいけない、人生は捨てたものじゃない、乗り越えて行こう、といった監督自身にも向けた人生賛歌なのだ。
メインの俳優たちがペドロ・アルモドバル作品の常連なのは、安定感というよりちょっとマンネリ感も感じてしまったけれど、ストーリーを彩る独特の色彩、インテリアデザインのセンスの良さは、主人公のファッションと相まって、変わらず健在。裏切ることなく、溜息ものだった。貧しい境遇として描かれる故郷の村の住居でさえ、牧歌的なテイストにこじゃれたアクセントが利いていて、思わずうっとりだ。飛び切り素敵なインテリア雑誌をみているかのようだった。
主人公の最初の状況に大いに共感する私にとっては、映画館での鑑賞再開を記念するにふさわしい作品だった。
眠気に勝てず
監督のプライベートフイルム。台詞もかなり難解で娯楽作品ではないです。
前半何回も睡魔に襲われました。
後半はまあまあ見れますが終わって見れば歳終えて人生を諦めて過ごしていた主人公が徐々に復活して人生応援賛歌して終わるという自己満足満載な作品。
多くの有名役者やスタッフが協力してるのだから作品意義はあるとは思いますが個人的にはかなり微妙でした。
人生の応援歌にしては薬物に頼りすぎです。
オススメしにくい。
それでも人生を積み重ねると言う事
会社の創立記念日で午後半休になったので、
1日映画の日はやはりお得に映画鑑賞!と言う
訳で会社近くの映画館で上映時刻がちょうど
良かった本作品を鑑賞しました。
私も以前、頸椎のトラブルで神経痛の症状に
悩まされましたが、この物語の主人公
サルバドールはかなりしんどい既往症があります。
確かに何もやる気が無くなるし、生きる事自体
苦悩する毎日かと思いますが、昔を回想しながら
少しずつ前向きになっていく様子に応援したく
なりました。
薬物に溺れる様子は感心しませんが、
苦悩に耐えながら人生を積み重ねる姿は素敵でした。
スペインと言う舞台だからでしょうか、
ビビットな色使いの衣装や家財類も、見ていて
とても素敵でした。あのような色使いは、
なかなか日本人には出来ませんねぇ。
今この瞬間は過去の全ての時間の積み重ねで
成り立っている事を再認識させられる映画でした。
機会が有れば、もう一度観たいと思います。
芸能界の眩しさと危うさを美しく描き切った傑作
華やかに見える映画監督や舞台俳優の暮らしは、破天荒で病的で繊細で脆くて儚い。ゆえに美しい。
私もかつて芸能界に憧れた。あのまま進んでいたら、と想像するとき、煌びやかな照明に照らされる自分と、闇の中で苦しむ自分の両方が見える。そして重たい感情がこみ上げる。私は、そこで生きていけるほど、強くなかった、と。
映画を撮り続けられず、持病に侵され燻るような毎日を送る映画監督と、いがみあった主演俳優の再会の美しき痛さ。
互いの才能に惹かれ合い仲間となる中年男性間の友情。新しい芝居をつくる熱量と、さらに偶然の出会い。
中年男性同士のキスと今生の別れの美しさと切なさに泣く。初めての感覚に目が冴える。
回想シーンもさっきまで見ていた風景さえも最後には虚実が揺らぐ。虚実すらもうどうでも良くなるほどに喜怒哀楽の全てをリアルに感じることができた作品でした。
アルモドバルの代表作に加えられるべき逸品
現在のベスト・ディレクターの一人、ペドロ・アルモドバルの新作。2011年の『私が、生きる肌』でタッグを組んだアントニオ・バンデラスを主演に、老いた映画監督の心象を描いた。
脊椎の痛みから解放されず、仕事から離れ鬱な生活を送る。浅い眠りの中に現れる幼い頃の自分と若かった母(やはりこの役ははペネロペ・クルス!)、同性愛者であった彼が性に目覚めた鮮烈な瞬間。
バンデラスと同じ歳のせいもあるのだろうが、彼の鬱や痛みがやたら沁みる。かと言って決して落ちきることはなく、人生の最終章に向けての再生の兆しに救われた気持ちになった。
若い人にはお勧めできないが、アルモドバルの代表作に加えられるべき逸品。この作品でカンヌの主演男優賞を獲ったバンデラスにとっても宝物になったはず。
今年の外国映画のベストの一本だろう。
終始、会話劇
耳が英語に慣れているので、コロナによる自粛のせいもあって、
久々のスペイン語はなんだか宇宙語にも聞こえてしまう前半w、
こうして、年老いて自分を見つめ直して再び向き合っていく行程は、
誰しもいつか訪れ、そして必要なことなんだろうなと思った。
とにかくほとんどが会話劇。
キャストが動く場面がほとんどない。
なので、演者の演技力がこれほど試され、
そして映し出されるものも本当に久しぶりの気がする。
小出しにされるアイテムに驚かされるが、
なるほど、いろいろ考えさせられる。
またいつか、観てみたい作品。
原点にして再生
アルモドバルが20年前の「オール・アバウト・マイ・マザー」へ回帰していく。おずおずとカムアウトの声を大きくし、パンクロックのように叫んだ2010年代の狂乱が静まり、いまいちど<母>を描きなおすことを試みる。そして、それはラストカットの美しさと、静かに叫ぶ<作品>の再生の種明かしで、深く観客の心を震わせる。
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