デッド・ドント・ダイのレビュー・感想・評価
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ゾンビのしわざ
5ちゃん風に言うと俺にはわかるマンがわきそうな映画。
わたしは俺にはわかると思っている勘違いマンなのでざっくり概説したい。ネタバレ有り。
オフビートのコメディとは、わかりやすく言えば、斉木楠雄のΨ難のようなやつだと思う。
ジャームッシュは、オフビートをあつかってきた作家で、うまく言えないが、ダウンしているテンション──はっちゃけたり盛り上がってしまわない抑揚のままで、コメディおよびペーソスを体現してきた映画監督──と認識している。
したがってジャームッシュがわかんないひとには、ジャームッシュは、ぜんぜんオチない斉木楠雄のΨ難のように見えているのではないか──と思われる。
これは説明を目的とした参考であって、言うまでもないけど斉木楠雄とジャームッシュは別物である。
この映画のばあい、ジムジャームッシュわかりますフィルターにプラスして、ゾンビ映画の素地もひつようだ。
アイロニーとパロディだらけで、なにげに高いリテラシーをようきゅうしている映画だと思った。
リテラシーとは文明の享受進度のことだ。いうなればカニとカニカマのちがいを察知できる舌のこと──と言っていい。わかんないけど。
リテラシーは教養の一種だが、ジムジャームッシュわかりますフィルターは感性の一種である。
なにげにそれらを同時にようきゅうしている。わけである。なんてね。
わたしはいやなやつなので、映画を見る前に、海外サイトの評価を参照する。
そしたら、この映画ははじめてコケていたジャームッシュの映画だった。
むしろきょうみをそそられた。
映画は、なんらかのパロディかアイロニーがありそうな感じで進行していく。
ロメロへのトリビュートは確かだが、あとはよくわからない。
ティルダスウィントンの「ゼルダ」は金の仏像をすうはいしていて、柔道着に黒帯してて、刀をふって阿弥陀仏とか言っちゃう、むちゃくちゃな日本テイストが、タランティーノにも見えるが、なんなのかわかんない。
全米の人気アイコンであるゴメスが首をちょんぎられるのはヒロインが生き延びるゾンビ映画にたいするアイロニーであろうと思うが、真意はわかんなくても、それが笑えるならば「俺にはわかる」でいいんじゃなかろうか。
たとえばアダムドライバーがまっかなSmartのコンバーチブルに乗ってるだけで、笑いがこみ上げてきたし、さいしょの犠牲者のあと、マーレイのセリフ。「それじゃ。こいつはナニか。ゾンビのしわざか」って言うのは、本気で笑った。
ところがである。中途まで、いいかんじのジャームッシュなんだけれど、ジャームッシュのパロディ精神が旺盛すぎて、しまいにはアダムドライバーに台本を読んだ──と言わせてしまう。
これは映画ですよ、わたしたちは配役を演じてるにすぎないんですよ──と告白させてしまうのは、いくらパロディにしたって、アウトなんじゃなかろうか。そんな映画はじめて見たんだが、いいんだろうか。
そこから、UFOが飛来して、ゾンビをたおしまくって、なんか落としどころが解らないままおわる。たしかにコケていると思うが「俺にはわかる」わたしとしては楽しかった。うそじゃないです。「俺にはわかる虚勢」はってるわけじゃないんです。ほんとにたのしかったんです。
たぶん、想像だけど、ビルマーレイがいてトムウェイツ、ダニーグローヴァー、スティーヴブシェミもいて、キャロルキングとかイギーポップなんてひとまでいて、なんかそういう古馴染みとしごとしててジャームッシュがたのしくなっちゃったんだと思う。
そこへプラスしてMaya DelmontもSelena Gomezもたのしいし、こどもたちもばっちりゾンビメイクしてゾンビ歩きするし、ほかにもたくさんの仲間たちがカメオロールでゾンビやってくれるし、現場がたのしい雰囲気で満たされてしまったのは、たぶん間違いないので、さいごは、まあいっかという感じだったんじゃなかろうか。なんて思った。
ロメロゾンビってだけ
何一つ分からなかった
コメディー
シニカル不足
期待してたのはどんどんゾンビが出てきて冷静にテンポ良くバタバタしていくコメディだったのだが、全然違った。
あまり多くのゾンビ映画を見ているわけではないので私自身の知識不足もあったのかもしれない。
たぶん何かのオマージュっぽい…と感じるシーンはいくつかあって、ガソリンスタンドの店主ほど全部見た!と言えるくらいなら楽しめたのかも。
最後のシーンはあくまで憶測だが、世の中の何かに縋って欲求の狂気の中にいる現代人をゾンビに比喩しているのだと思う。
警官二人が正義とまではいかなくとも、それっぽいのが飲み込まれていってしまう(?)
にしても、中途半端すぎて深読み感がすごい。
誰もBluetooth自体は探さないでしょうよ…Wi-fiはわかるけどさ…
悪い結末になるって言ってるアダム・ドライバーが台本読んだからねっていうメタ発言は、嫌いではないし、そういう映画ね。という気持ちで見れたとしても、宇宙人も少年院の子達?もよくわからんです。白鯨を出したり「ashes to ash,〜」とよく聞く神のお言葉を出したり、深く見せたかったんでしょう。
やるならもっとシニカルにしてほしかった。
シニカルと愛に満ちたパーフェクトワールド
薄味ゾンビ
ユルいと思って見たら、ジャームッシュ・ゾンビが噛み付く!
アメリカの田舎町、センターヴィル。
のどかな田舎町だったが、夜なのに昼のように明るかったり、ある日突然動物が凶暴化したり姿を消したり、通信機器に異常が起きたりが相次ぐ。
さらに、ダイナーで変死事件が発生。
程なくして、町を悪夢が襲う。即ち、
“ドーン・オブ・ザ・デッド(死者の夜明け)”!
一見、王道のゾンビ映画。
しかし本作の監督は、鬼才ジム・ジャームッシュ。
王道に彼ならではの変化球、ユーモアや風刺をプラス。
またもう一本新しいゾンビ映画が、墓の下から這い出てきた。
まずこの、ユル~い作風。
そもそもユルい作風や怖いホラーが見たい人には一切ダメだろうが、こののんびりとした田舎町舞台の作品には合っている気がする。
登場人物もゆったり、キャストも惚けた演技。(キャスト陣については後ほど)
しかしずっとユルい作風ではなく、ちゃんとサバイバル・ホラーの要素もあり。
どんどんどんどん小さな町にゾンビが溢れ返り、逃げるに逃げられなくなり、もし自分だったら…?
そう考えると、結構怖いかも…。
キャストはジャームッシュ作品出演経験のある豪華な面々が顔を揃える。
町の警察署長にビル・マーレイ。彼とゾンビ映画と言うとどうしてもあの映画を思い出しちゃう。マーレイさん、くれぐれもゾンビの真似はしないように!
町にゾンビが現れても何故か常に冷静沈着な巡査にアダム・ドライヴァー。彼の車のキーホルダーが、彼繋がりのあのスペースオペラ!
他にも個性的キャラ/クセ者キャラ登場するが、何と言っても最たるは、ティルダ・スウィントン。
町の葬儀屋の女主人。刀捌きも見事で、日本刀でゾンビたちを次々斬り倒す。さらに、ハイテク機器にも精通。何者…?
怪女優がまたしてもその期待に応えた!
アダムの車のキーホルダーは『SW』だったり、日本刀で闘うスウィントンは明らかに日本映画から。ジャームッシュ以前にも『ゴースト・ドッグ』というサムライ・スピリッツ映画があった。
勿論ゾンビ映画なので、ロメロへのオマージュは言わずもがな。
終盤は思わず、ポッカ~ン。
パトカー車内でビルとアダムがオイオイ!級の驚きの台詞を言っている所へ、まさかのアレ飛来!
ジャームッシュ、幾ら何でも変化過ぎ! 本作は何処へ行く…!?
ゾンビ映画はどんどん進化していく。
本作でのゾンビは勿論従来通り生者を襲うが、生前の物欲を求める。
コーヒー、スマホ、ファッション、お菓子…その他諸々。
現代の消費主義社会。
本来無個性である死者にそれを投影し、その姿は生前である私たちそのもの。
ユルいゾンビ・コメディと思って見ると、ジャームッシュの変化球や強烈社会風刺に噛み付かれる…!
舞台は「ナイト・オブ・リビング・デッド」でテーマは「ゾンビ」で
ジム・ジャームッシュ初のゾンビものということで、公開前は結構盛り上がってた記憶があるけど、公開後の反響はあまり聞こえてこなかった本作。
Amazonビデオでレンタルが始まったので観てみたら、その理由が分かったw
舞台が田舎町や墓場なのはロメロの「ナイト・オブ・リビング・デッド」を連想するし、ラストでトム・ウェイツが全部セリフで解説してくれるテーマはロメロの「ゾンビ」と同じ。
それをジャームッシュ作品常連の豪華キャストと、オフビートな掛け合いでユーモアたっぷりに描く――っていうオシャレゾンビ映画なわけだけど、ただエピソードの断片を乱暴に繋ぎ合わせて最後は投げっぱなしの駄作とも見えるし、好意的に深読みすれば消費社会に溺れた人類というテーマに世界や個人の分断という今どきな社会問題を付け加えた、ある意味でロメロ版「ゾンビ」のアップデート版と取れなくもないっていう。
ただ、監督がジム・ジャームッシュでなければ、ただの「悪ふざけB級ゾンビ映画」と切り捨てられちゃうだろうと思った。
らしいと言えばらしい、らしくないと言えばらしくない
ビミョーなバランス
センスを楽しむ
巨匠?のおふざけ
ブシェミを観るために観まし
私はかねてよりスティーブ・ブシェミが好きで、スクリーンで観れる事が嬉しくて😊劇場に足を運びました。
どうせチョイ役ですぐ死ぬっしょとタカをくくってましたがありがとうジムジャームッシュ🙏
映画の内容としましてはダントツでティルダ・スウィントンが良いです。
柔道着かと思ったらゴスっぽい服だったりしてそれに刀を合わせるとかオタクの好きのツボを知り尽くしておりませんか?
なんか日本っぽい殺陣や片膝ついた金色の仏像にクスッとなりました。
センスがキレキレです。
コメディ風味のゾンビ映画かと思ったんですがゾンビ映画風味のコメディでした。
冒頭での主題歌宣言に肩の力が抜けた観客は「これはゴリゴリのコメディですね?」という雰囲気で終始クスクスとなり最後の台本メタ発言でもうなんか続編を期待しました。
こういうゆるゆる映画は今の世の中に必要です。
最高ですね、アダム・ドライバーはじめ出演陣みな素晴らしい
あえて、話の起伏や見た目のハデさを抑えめに、淡々と進んでく妙な空気感と俳優の持ち味が、イイ感じを引き出していて、好感もてます。
ありきたりなわざとらしい、大笑い大爆笑モノじゃなく、妙に冷めたようなシュールな感じが最高です。
出演者の間でネタとしても再三繰り返される、腑抜けたようなカントリー・ウエスタン調の主題歌も、お約束ごとのごとく、サイコー出来です。
なんか、デビット・リンチ(=ツイン・ピークス)っぽかったり、またタランティーノ作品の空気感ような感じもあり、「分かる奴には分かるが、万人ウケなんかしない」世界観が○です。
なんか、「ロード・オブ・ザ・リング」の剣士のような女検死官が思わせぶりに活躍して、「エド・ウッド風円盤」をリアルにしたような宇宙船が来て何かするのかと思いきや、「ハッ!?」なところとか、
大団円(?)の、”出演者一堂、総登場“がサイコーでした、「これで終わりかいっ!?」って.......
全体に漂うのんびりとした空間。これはアダムドライバーの独特な口調と...
ジム・ジャームッシュの新作、しかも何とゾンビ映画。 情報を知った時...
ジム・ジャームッシュの新作、しかも何とゾンビ映画。
情報を知った時は二度見しました。
今作もジャームッシュファミリーが多く出演。
全編に散りばめられたオマージュに小ネタ、ジムジャームッシュの遊び心が満載です。
ティルダ・スウィントンなんて役名がゼルダ・ウィンストンですよ?ダジャレかよと。
しかもこの謎の多い葬儀屋、彼女自身の提案から生まれたらしいから驚きです。
立ち上がりはゆっくりと。イギーの登場で(出てきただけで笑ってしまったw)物語は動き出すのですが、スリリングな展開はなく「何だそりゃ?」がひたすら最後まで続きます。
しかし監督やキャストがそれを大真面目に作り上げていて、この緩い空気がとても面白いんですよ。
ただこの手の作品は「合う・合わない」が別れると思うので、のんびりした心持ちで観ると良いと思います。
私はとても楽しめましたよ。
タイトルなし
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