劇場公開日 2020年6月5日

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「豪華なセレブが我先にと壮絶な死を遂げる!独特すぎるテンポのド田舎版『マーズ・アタック!』」デッド・ドント・ダイ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0豪華なセレブが我先にと壮絶な死を遂げる!独特すぎるテンポのド田舎版『マーズ・アタック!』

2020年12月29日
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鑑賞方法:映画館

舞台はアメリカのどこにでもありそうな田舎町センターヴィル。警察署長のロバートソンとピーターソン巡査は大した事件も起きない平和な町をのんびり巡回して回る毎日を送っていたが、町外れのダイナーで変死体が発見され小さな町は大騒ぎに。そんな町に奇妙な風体の葬儀屋ゼルダが現れて・・・からのやけにのんびりしたゾンビコメディ。

世間的には『ストレンジャー・ザン・パラダイス』や『ダウン・バイ・ロウ』等で一世風靡したジム・ジャームッシュ監督作ですが、個人的にはこれが初鑑賞。当時の喧騒をガン無視していたのが祟って監督の作家性については何ひとつ知らないのですが、ゾンビコメディではデフォルトともいえる畳み掛けるようなテンポ感はどこにもなく、悪く言えばダラダラした独特のリズム感は正直個人的にはさっぱりハマりませんでした。しかし、スティーブ・ブシェミ、トム・ウェイツ、イギー・ポップといったいかにもイーストコースト系だけでなく、セレーナ・ゴメスやダニー・グローバーといったセレブ達が揃いも揃ってユルユルにリラックスした演技を披露する様は妙に豪華でほっこりします。そして何よりメインキャストのビル・マーレイ、アダム・ドライバー、ティルダ・スウィンソンの怪演が凄まじ過ぎてその他大勢のゾンビの皆さんはすっかり霞んでしまい、豪華なセレブが我先にと豪快に死んでいくド田舎版『マーズ・アタック!』みたいなテイストになっていて、結果的に満足できました。

よね