「着眼点がすごい」罪の声 87さんの映画レビュー(感想・評価)
着眼点がすごい
予告を見た時からとても興味が湧いていて、テーマがすごく面白いなと思った。テープの声に使われた子供をメインに事件の究明に迫る、その子供の正体と経緯、そして他のテープに声を使われた子供の行方………
この物語の軸から事件が起きたのはかなり前のはずなのに、緊迫感がすごい。そしてテープの声にとてつもない恐ろしさを感じる。
まさに、事件は今でも終わっていないということを感じさせられた。
私は2000年生まれで、この元となった事件を知らなかった。映画を見る前に軽く調べたけれど、知識はなくても分かりやすい内容だった。
その事件自体は未解決時間として有名で、初め調べた時は「結局殺人が起きたわけではないのか」と少し見くびってしまっていたが、この映画を見ることによって、その考えは簡単に覆された。
そして、事件に使用されたテープの存在の重さにも気づくことになった。
事件に対しては、 独自の見解で経緯が語られているが、納得する部分が多く、とても自分では想像がつかない考え方だと感服した。違和感なく受け入れることができた。
星野源演じる曽根の緊張感は見ている側にまで伝わってきたし、その曽根が新しい事実に対面し、それを自分の境遇と比較してしまうところ、また、その原因に対して感じる恨みや悲しみ、全てが理解できた。
作品中に漂う緊迫感と悲しみが癖になり、満足度は高かった。原作が素晴らしいのは前提として、演出もとてもいいなと思った。見たことない人には勧めたい映画だ。
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