劇場公開日 2019年8月2日

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「ムンバイ出身のロヘナ・ゲラ監督がインド社会が抱える問題の重さに対する自らの意思を強い想いを持って映像化した作品。」あなたの名前を呼べたなら NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ムンバイ出身のロヘナ・ゲラ監督がインド社会が抱える問題の重さに対する自らの意思を強い想いを持って映像化した作品。

2019年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 農村出身で、ある事情でムンバイでメイドとして働くラトナが仕える建設業の御曹司”Sir"がとにかく、良い漢である。(飲み屋で流し目を送って来た女性と普通に一晩過ごしてしまう所なども、人間臭くて良い・・・(すみません・・))

 彼は身分さのあるメイド(本来は彼のメイドではない、劇中で確認できる)、ラトナに対して、”有難う” ”ごめん”を随所できちんと伝える。接し方も(インド社会の身分差を考えると)ジェントルマンである。

 彼の態度がアメリカに留学していた経験が基にあるのが徐々に分かってくるし、これが後半の彼の行動の理由になってくるのも上手く描いている。

 この件はロヘナ監督自身の経歴を物語っているだろう。おそらく、ロヘナ監督は”Sir"を自らの今後のインドに求められる男性の象徴として描いているのではと類推する。

 一方、ラトナも自分の不遇な境遇を嘆くだけでなく、前向きに生きる控えめながら強い女性であることがきちんと描かれる。(それにしても、ラトナさん、気持ちが表情に素直に表れ過ぎだろう!、まあそれに”Sir"は惹かれたのだろうが・・。)

 徐々に惹かれ合っていく二人の前に聳え立つ壁の高さ。そして、それに対して、”Sir"が選択した行動と、彼からの電話にラトナが発した一言のセリフの素晴らしさが心に沁みる。素晴らしいエンディングである。

<現代アメリカでの教育の素養をベースにある強い想いを持って監督が描き出した、新たなインド映画の秀作>

NOBU
きりんさんのコメント
2020年2月17日

会議がんばれー

きりん
きりんさんのコメント
2020年2月17日

DVDを借りました。
じれったさと、ほのかな希望と、苦い諦めと・・
入り混じった映画でしたね。
すごく面白かったです。
オススメありがとうございました。

きりん