「ありがとう、すまない、さようなら。」るろうに剣心 最終章 The Final akkie246さんの映画レビュー(感想・評価)
ありがとう、すまない、さようなら。
るろうに剣心 ファイナル
2021.4.29(木)1510の回 イオンシネマ港北ニュータウン スクリーン3。120席 一席ずつ開けて半数収容。
原作にあった様々なストーリーをちょこちょこ削っての今回の実写作品らしい。このことは、どんな作品でも言われることだが、本作品でも問われることになった。
私はアニメも見ておらず原作ファンではないため、実写としてどう決着つけるかだけに興味を持って見た。
アクションはとてもとてもすごくて、役者、撮影、アクション監督、美術、編集が相まってちょっとしたハリウッド作品を超える出来に仕上がっている。
とは言え、あくまでもチャンバラをより映画的に進化させてるだけで、リアルとはとても言えないし、スカッとするかと問われれば、なぜかそういう気分にもなれない。理由は、ストーリーがややめんどくさすぎるからである。
以下見た人にしかわからないようにしたネタバレ。
Eの姉Tは、Sだった。暗殺者だったころのKは、Sとして近づいてきたEくんの姉と結婚する。Tは、ある目的のためにKと愛し合う。しかしある事情があってKは、敵と共にTも斬ってしまう。(「奥様は取り扱い注意」を古くしたような感じか)。Eは、Kを憎み、やがて上海に渡って武器商人の頭領にまで上り詰め、十数年後、全てを捨ててKに復讐を果たすために日本に戻る。Kに自分以上の悲しさと苦しさを味わわせるために。もちろんKは、妻の弟とわかっている男Eを殺せない。止められない。
明治12年、横浜駅。初代横浜駅。まだ江戸情緒が残る人々。ちょうど汽車が出るところだ。昨年公開予定だったわけだが、奇しくも「鬼滅の刃 無限列車編」と似たシチュエーションによるオープニングである。
新型コロナによる公開延期で、半年以上遅れ2021年4月になった。
2012年8月の第一作から約10年後の本作。企画開始からだともっとだろう。メイン出演者が全て変更ないというのは奇跡といえる。
FINALと、BEGINNINGを連続公開するというのも変わった公開方法だが、FINAL見た観客はほぼ同数BEGINNINGを見るに違いない。
いや、BEGINNINGのエッセンスは、FINALの中にも少し含まれているので、「もういいか」となる可能性もある。
いや、やはり、十字の傷=バッテン傷の秘密をもう少し深く知りたい気持ちもある。単なるバツイチの印というだけの頬の傷ではない緋村剣心の重い十字架。
それに、BEGINNINGは、時代を少し遡って江戸後期になるはずなので、役者陣(斉藤一、緋村剣心)もさらにわかくならなければならない。
そこのところをどうするのか観客としては意地悪く見てみたい気もする。十年以上前の出来事を10歳くらい歳をとった役者が演じることは違和感は生じないのか?
人をバッサリバッサリ斬ってきた人斬り抜刀斎の伝説を見てみたいというのもある。
戦いながら紙巻きタバコを吸い続ける斉藤一は、ギャグ一歩手前だし、片手マシンガンの男もありえない。全体が漫画原作であることを忘れてはならない。