「原作未読なら+1.5点」るろうに剣心 最終章 The Final ばるすパパさんの映画レビュー(感想・評価)
原作未読なら+1.5点
原作全巻読破。アニメTV、OVA全て視聴。実写映画前作全て視聴。その上での今回の評価です。
2作品同時発表だったので、前後編かと思ったら、まさかの今作品で本当にファイナル。
だからファイナルとビギニングなのねって納得。
良い所はアクションシーンに尽きる。邦画の悪い部分(やたらと絶叫したり泣いたり)は薄めで、テンポの良いシリーズ完結作でした。ゲームの無双シリーズを実写でやりましたって感じですね。
原作を知らなければ、多少の突っ込み所も気にならないくらい、かっこいい佐藤健やシリーズオールスターによる総決算の娯楽大作だと思います。
こっからネタバレ。
一番疑問に感じたのは今回の2作の構成比率。
剣心の過去(OVAでは追憶編にあたる部分)にまるまる映画一本割いて、はるかに長い人誅編をギュっと一本に凝縮した事。前後編の前編として中途半端な所で終わるよりは、きちんと今作で終わらせたという努力は感じます。しかし、原作を知っている者からすると、人誅編がものすごく薄められて、縁との対決がものすごく軽く感じました。
個人的には気になったカットは次の通り。自分の好きだったエピソードです。
・鯨波さんの赤べこでの食事シーン。暖かい人情を感じながらも、それを上回る憎悪による砲撃シーンの狂気がまるで表現できておらず。おかげで縁のとりまきは全てモブキャラみたいな薄い印象に。
・弥彦の葛藤、成長ほぼ無視。まあ、全てのキャラを深堀するのは無理でしょうけど残念でした。
そして一番は剣心のどん底までの挫折からの復活。
薫の死体ださなきゃだめでしょ!!!
長い長い「ろろうに剣心」の一番回収、解決しなければならないエピソードとカタルシスがまさかの改悪。これやらなきゃ「人誅編」やった意味無くなるでしょ!!!
これに付きますよ。
やはり前後編に分けるべきだった。佐藤健とか使われている俳優の人気を考えたら3部作でもよかったと思います。企画通ったのではないでしょうか。それともコロナの影響でやむなくだったんでしょうかね?
前編では鯨波さんをはじめ、剣心の罪と罰をはっきり描く事に集中すべきでした。薫を死なせて終わらせるべきでした。スターウォーズのエピソード5みたいな役割。そうすれば次に来る巴と縁と剣心の過去が明かされ、過去の罪から立ち直る剣心の大復活劇が生きて、壮大なカタルシスを伴う真の完結編として邦画の歴史に名を残したはず。
有村架純をヒロインにしたかったのか知らんけど、構成を完全に間違っていると感じました。
残念、無念! この映画の感想はこれに尽きます。
多くのエピソードを犠牲にしたビギニングがどのような映画になっているのかはまだわかりません。
それはまた観てから判断したいと思います。
コメントありがとうございました。縁の手下達も見せ場が少なくてもったいなかったですね。手下の戦いをもっと見せた方が縁の強さが際立ちますよね。
ビジュアルは結構凝っていましたね。私はビラを撒き散らすのにビラ撒き機みたいなのを使ってるのが面白いと思いました。