「とんだシスコン野郎だな」るろうに剣心 最終章 The Final Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
とんだシスコン野郎だな
雪代縁のキャラ設定はこれでいいのかな。縁が不幸なのは剣心に姉さんを殺されたからじゃなくてさ、シスコンの度が過ぎるからだと思うんだよね。
最後の方で剣心が縁に『お前の姉さんへの想いは間違ってない』って言うんだけど、近親相姦がタブー視されてるのはそれなりに意味あるしさ、「『間違ってない』って断定はどうかな」って思っちゃった。
縁のキャラ設定のせいかも知れないけど、ストーリーもじゃっかんのヘンテコさがある気がして、なんか真剣に観られないのね。
剣心と縁がやり合うときに、縁が『俺の仇は(略)お前と話したやつ』って台詞があるんだけど、ここで剣心がさ、「えー、お前いま俺と話しましたー。お前もお前の仇でーす。どうすんの? お前、自分で自分を討つの?」とか言い出してもおかしくない感じがあったな。
この作品は完全なアクション映画だね。あまりストーリーに見るべきところがないの。アクションは「さすがだなあ」と思うけど、もう何回か観てるから新鮮さはないね。
キャストも前作ぐらいまでは「旬なキャストが勢揃い」って感じだったけど、もうちょっと違うよね。売れてる人は大御所感が出てきてるし、売れてない人は「今なにしてるの?」感が出てる。
FinalとBeginningで前編・後編なのかなと思ったから、この作品では「剣心たち絶体絶命だぜ、どうしよう!」ってなって終わると思ってたの。そしたら違ったね、最後までやった。
そこは良かったけど、なんだか良くわかんなくて勝ったよね。突然、味方が集まってきて、それで勝ったって感じで。
全体的に話が今ひとつになっちゃってるんだけど、これ、大友監督が脚本書いたからかな。
Beginningはどんな話になるのか解らないけど、剣心も縁も、縁の姉さんが好きだったし好みのタイプが似てるから、今度は薫を取り合うのかな。そんなわけないと思うけど、そんなことを考えてしまうような話だったな。