「被害と犠牲者が甚大過ぎて…」るろうに剣心 最終章 The Final トラヴィスさんの映画レビュー(感想・評価)
被害と犠牲者が甚大過ぎて…
アクションもスケールも凄かったです!
しかしそれと同じくらい被害も犠牲者も凄くて…
アメコミファンの和月先生が描く荒唐無稽な敵キャラが実写化最大の難関だと思いますが、2.5次元のバランスは個人的には許容範囲だったと思います。
鳥山明先生が本当は命懸けの死闘中に技名を叫ぶ余裕なんかあるはずないとジャンプ作品の特徴を指摘していましたが、剣心が原作のように技名を言わないのも良かったです。
アクションも超絶でした。一番好きなのは座頭市のように静かに間合いを見極め抜刀した瞬間に決着がつく殺陣ですが、本作の尋常じゃないスピードで見せる長めの殺陣も時代劇の新しいスタイルとして楽しめました。
しかし本作を通して感じたのは気持ちよく映画館を後に出来ないレベルの無関係な人達の被害と犠牲です。何故ここまで徹底して被害の甚大さを丁寧に描くのか疑問に感じるほどでした。
これで最終的に剣心が勝ったとしても、めでたしめでたしとはなりません。主人公と身近な人さえ死ななければそれ以外はいくら死んでもいくら大怪我を負ってもいいとはなりません。しかもその被害や犠牲は剣心に対する復讐の手段。
剣心が過去に対して生きて償い続けると言っていました。これ以上更なる業を背負わせるなんて…。もやもやしまくりです。
るろうに剣心で一番好きな瀬田宗次郎(神木隆之介くん)に再会出来たのは嬉しいサプライズでした。