「【”剣心の頬の十字傷が消えない哀しき理由、そして真の贖罪。” スピード感溢れる谷垣アクション、個性豊かな多くのキャラクター及び、邦画アニメ実写化作品に新境地を切り拓いた魅力も健在である稀有な作品。】」るろうに剣心 最終章 The Final NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”剣心の頬の十字傷が消えない哀しき理由、そして真の贖罪。” スピード感溢れる谷垣アクション、個性豊かな多くのキャラクター及び、邦画アニメ実写化作品に新境地を切り拓いた魅力も健在である稀有な作品。】
ー ”第一作からもう、10年も経つのか・・”
”「京都大火編」と「伝説の最後編」の繋ぎは見事だったよなあ・・、比古清十郎(福山雅治)・・”
と、感慨を抱きつつ映画館へ。
そして、大画面で躍動する、懐かしき数々のキャラクターの姿に魅入られた2時間強であった。
このシリーズは、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の魅力を大友啓史氏が引き継ぎ、優れた漫画の実写化が成功した稀有な作品群である。
それは、哀調を帯びたテーマソング及び「龍馬伝」で、幕末の動乱期、激烈な死を遂げた岡田以蔵を演じた佐藤健の姿が、今作の剣心の姿と重なったからだと思っている。
それにしても、今作はあれだけの数の人気役者さんを、良くぞ再集結させたものである・・。ー
■感想
1.谷垣健治アクション監督による、ハイスピードなアクション、殺陣は健在。
そして、驚異的な運動神経で数々のアクションをこなす、佐藤健さんの10年前と変わらない姿に驚く。
2.哀しき男、雪代縁を演じた新田真剣佑の動きの速さと、哀愁と狂気を漂わせた佇まいも印象的である。
ー 冒頭、縁は上海マフィアの若き統領として、”志々雄真実(藤原竜也:今作出演なし)に、甲鉄艦を売った・・”とうそぶく姿。ガトリング銃も・・、と言っていたので、武田観柳(香川照之:今作出演なし)とも、繋がっていたのかもしれないなあ・・。ー
3.雪代縁の姉、巴(有村架純)と、剣心との哀しき関係性。
ー ここは、第1-3作でも全く触れられていなかったので、少し戸惑う。
が、徐々に巴の剣心への複雑な想いの変遷が伝わって来る。
"復讐心から愛する心へ。"
この巴の剣心への心情の変化が、ラストに効いてくるのである。そして、有村架純さんが、その姿を静やかに演じている。とても良い。ー
4.懐かしきキャラクターの数々。
御庭番衆の蒼紫(伊勢谷友介)、操(土屋太鳳)が、剣心に助力する姿。
一番驚いたのは、瀬田宗次郎(神木隆之介)の登場シーンである。”これはマズイ・・”と思ったら剣心に敗れた後の年月は、瀬田宗次郎を”前向きに生きる人間”にしていたのだなあ・・。
斎藤一(江口洋介)の”牙突”も観れたしね。
ー 但し、原作や第1-3作を鑑賞していないと、今作の感想を薄めてしまう可能性がある程、多数のキャラクターが出演している・・。
出来れば第1-3作を鑑賞してから、本作を鑑賞した方が、面白さは増すのではないかなあ・・。ー
5.亡き、巴の日記を獄中の縁に贈る、薫の計らい。
巴の日記に書かれていた、
”あの人は、多くの人を刃にかけた。けれど、それ以上の人を幸せにする・・”と言う言葉。
ー 亡き姉の想いを知った縁の驚愕の表情は、忘れ難い。心に沁みたシーンである。ー
<緑溢れる山中、薫と剣心が、巴の墓参りをするシーンが良い。
墓に手を合わせ、戻る道中に剣心が薫に言った言葉。
そして、剣心が薫に差し伸べた手と、手を繋いだ二人の穏やかな表情が忘れ難き作品である。>
<2021年4月23日 劇場にて鑑賞>
NOBU様
『ひとよ』への共感&コメントありがとうございます。佐藤健さんだんだんよくなってきてますよね。
『るろうに剣心』最新作観るために前作を観なければいけないのですが上映中に間に合うか心配です。
レビューを拝見して頑張らなきゃって思う今日この頃です。
NOBUさんへ
SSは「コレは名前は書けんなぁ、ネタバレも甚だしぃし」って事で自粛しましたw
日本人ならチャンバラですよね! ガトリング砲を打ち負かすとか、最高ですw
過去作からのファンへの寄り添い、新規のファンの獲得(新作単体でも楽しませ、過去作への興味も引かせる)、この両面を成り立たせるのは大変ですよね。
私の場合、X-MENは第3作から始めましたが、割りとうまく出来てたように思います。
そもそもの原作漫画・コミックの作り込みのスタンスの違いもあるから、色々と大変だと思います。そう思うと、よくここまで作ってくれた、という感謝の気持ちも湧いてきますね。