「原作ファンも納得出来るエンターテイメントアクション作品の最終章の幕開けです。」るろうに剣心 最終章 The Final 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンも納得出来るエンターテイメントアクション作品の最終章の幕開けです。
「るろうに剣心」の劇場版、最終章となる「The Final」を初日に鑑賞しました。
るろうに剣心は原作もアニメも一応見ていたんですが、結構前なので割りとうろ覚えw
映画版も前作から約7年が経過しているので、細かい所があんまり覚えてなかったりしてますが、今作だけでも単体で成立しているのでとりあえず良いかなと思い、復習せずに鑑賞。
多分、一番上映が早い(であろう)、新宿ピカデリーで鑑賞しました。
で、感想はと言うと、復習してなくても問題無し! アクション凄い!! 殺陣格好良い!!!
とにかくスケール感がデカい。これだけの大スケールの邦画作品はなかなか無いんじゃない?と言うぐらい。
漫画原作物の実写化では成功した部類の作品で、映画化の度に映画版としてのオリジナルが成立している感じで、もはや「佐藤健が剣心か、剣心が佐藤健か」ぐらいに佐藤健さんの剣心像が成立している感じです。
ただ個人的に気になるのは剣心の口癖である「おろ?」がどうにも合わないと言うか合ってない感じw
今作でも最初の方で「おろ?」が出てるんですが、やっぱり違和感がなんかあるんですよね。
この口癖があるからこその剣心と言うのも分かるんですが、もうそろそろ使わなくていんじゃね?と感じたりします。
今作は原作の「人誅編」をベースにして新たな敵に雪代縁が登場。
雪代縁役の新田真剣佑さんが今作の目玉でビジュアル先行かつカッコいい♪
また衣装も良いんですよね。そっくり過ぎw
斎藤一役の江口洋介さんなんて今更ながらにクリソツ過ぎますw
とにかくキャラクターを演じる方々のビジュアルが秀逸でそれでいて、登場人物に違和感と言うか、イメージとのズレが少ないのが良い。
この辺りはこれだけ作品を重ねていてヒットしていてもきちんと観る側の求めるポイントを制作側が理解されている。だからこそ、ヒットしているし、作品の数も重ねられるんですよね。
谷垣健治さんがアクション監督として担当されているのも魅力の一つでアクション映画としても確立していますよね。
静と動の緩急が良くて、流れる様に動く所は動き、決めるべき所ではビシッと決める。
殺陣の所作と決めるべきポージングが格好良くて、エンターテイメントアクションとしてはかなり完成度は高いかと。
決めると言うよりも「極める」と言う方がしっくり来るかも。
ただ、アクションが凄いんですが、アクションに比べるとストーリーとしての盛り込みと言うか捻りが薄い感じ。
原作ありきの作品なので、その辺りは過度の脚色は逸脱の域を越えてしまうだけに難しいんですが、見方に寄ったらビジュアル先行し過ぎる感じがしなくもない。
既に映画としての「るろうに剣心」の世界が確立しているとは言え、その辺りが少し残念に感じられますが如何でしょうか?
キャラクターのビジュアルが秀逸と書きましたが、全く無い訳では無いw
また青木崇高さん演じる相楽左之助がちょっと勿体無いと言うか、活躍が薄いかなと言うのと蒼井優さん演じる、高荷恵がちょっと違和感あるかなwと個人的には感じたりします。
6月には最終章の「The Beginning」が公開予定で、剣心の左頬の十字傷の謎が解明されると言う事で一作目の前日譚的な物かと思いますが、とりあえずこれで最後と言うのがどの様な感じなのかが気になる。
「るろうに剣心」はOVA等でも様々なラストパターンがあるので、原作にある程度沿った感じのラストでも良いですが、映画オリジナルでも良いので、万人が万感の思いで「良かった!」と思えるラストを期待したい。
兎にも角にも「The Beginning」が控えているので、これで終わりではありませんが、満足度はかなり高い作品。
今まで観てきた人は勿論、これから実写版「るろ剣」の波に乗っかる人にもお勧め出来るし、またエンドロールで流れるONE OK ROCKの「Renegades」が胸に沁みます。
コロナの緊急事態宣言直前でまたしても劇場公開にしわ寄せが来ていて、直前まで公開中止になるかも?とハラハラしてましたが、なんとか無事公開。
なかなか人が集まる所に行くことをお勧めは出来ないのは重々承知ですが、それでも機会とタイミングがあれば是非是非観て欲しい、お勧めな作品です♪