劇場公開日 2020年1月24日

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「生きてるっていうのは、偶然かも知れないな」風の電話 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5生きてるっていうのは、偶然かも知れないな

2020年1月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

自分には合わなかった。
モト―ラの存在感は好きで、この映画の中でも格別だったが、なにか入り込めない。ドキュメンタリーとしては「この場面掘り下げるか?」と異質感が漂う。ロードムービーとしては「え?いまどこ?」「この格好で何日かかってんの?」的な違和感が付きまとう。だいいち、広島から岩手に行くまでには、いろんな地方の人に出会うのだから、場所の説明をしないなら方言でそれを表現してくれなくては。たいてい語尾にちょっと匂わす程度。ようやく西田敏行がバリバリ喋るくらいじゃないか。(この人の場合は、いつもそうなのでかえって浮いてしまう嫌いがあるが)
ハルが大槌までの道々、様々な苦悩を抱えた人びとと出会い、その姿にいつしか励まされながら、最後は自分が少年を励ます側に回る。そこはわかるし、電話の登場の仕方はむしろ印象的だし、なによりモトーラの物憂げな佇まいはやるせない。生き残った者の辛さ、むしろ残されてしまった者の寂しさ。悪くはないんだけど。どうも、独白の場面で胸に迫って来なかった。

栗太郎