「すごかった」あのこは貴族 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
すごかった
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主人公が当たり前のようにタクシー移動することや、結婚をするにしても全く恋をしないことに、なんだこいつと思う。主人公の空っぽぶりがすごくて、いけ好かない映画を見たなと思ったのだけど、後から思い返すとだんだんすごいものを見たような気になってくる。
当たり前のようにタクシーに乗ったり、高そうな服を着ていることなどなんの説明もなく、当たり前のように描かれ、現実も当たり前にそのような暮らしぶりの人が存在し、身分に合わせて恋愛などせず、主人公のように離婚しないまま年老いて死んでいく人がいることが垣間見えるような気がする。映画では描かれなかった立場での責任感などもあるのだろう。そういったものを省いて描いて堂々としているのもすごい。
恋愛映画のような体なのに、誰も恋愛をしていない。映画では最後の最後、主人公に高良健吾が未練たっぷりな感じで幸福な未来を感じさせる。高橋ひとみが怖い。
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