劇場公開日 2021年2月26日

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「私だってつらいんです」あのこは貴族 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5私だってつらいんです

2021年3月9日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

2021年映画館鑑賞26作品目
3月8日(月)チネラヴィータ
原作未読

原作に倣ったのか何章かに分かれている構成だが悪くない

邂逅はなんとか読めたが監督の苗字が読めなかった

門脇麦の方は全くの別世界で興味深く面白かったが水原希子の方はつまらなかった
上流社会のやりとりは昔のトレンディードラマのようだった
一方美紀は地方出身者で実家が貧乏だけど経営の才能がある慶応出身という設定だが親しみも共感も何もかもなかった
僕は嫌韓というわけでないのでハーフの彼女が嫌いなわけではない
コメディー要素無しの貧乏話は退屈だ
政治家はそういった民の声に耳を傾けなければいけないが無力な自分にはなんのプラスにもならない
なるべくなら映画には夢がある華やかな非日常を求めたい
時岡は有能なんだから可哀想でも何でもない
そういえば時岡ってありそうでなかなかない苗字だと思うが富山ではありふれているのか

門脇麦と水原希子の配役は逆じゃないかと感じた人たちがわりといるようだがその多くが観た途中から受け入れたようだ
でも僕は最後までしっくりこなかった
自分は左翼的な一面もあるが保守的な一面もある

富山に水原希子みたいなスタイルがいいモデルのような美人がいるわけないだろと
富山出身の女性俳優といえば室井滋とか柴田理恵だぞと
富山じゃないが芸能界をすでに引退した江角マキコは島根出身なのだから血眼になって隈なく探せば富山にも水原希子のような美女が発見できるかもしれない

居酒屋のトイレが汚いからといって松濤の自宅にタクシーで帰るシーンが面白かった
YOSHIKIがカレーが辛くて帰っちゃうエピソードを思い出した

門脇麦が演じた華子は実家が開業医で医者の家系
ホテルの会食で料理以上の豪華だったのは役者さんの面々
母が銀粉蝶で父が佐戸井けん太で長女が石橋けいで長女の夫が山中崇で次女が篠原ゆき子
華子の友人役はこれまた石橋で石橋静河
邦画好きとしてはたまらない

3段重ねのスイーツもマカロンタワーも印象的
頭に「ま」がつくスイーツと聞かれたら豆大福と答えるような庶民に過ぎない自分

外部生とか内部生とか慶応ほど極端じゃないにせよ東京あたりの大学ではだいたいどこでも多かれ少なかれありそうなことだ
杉並区にある某女子大は親が稼いだカネをバンバン湯水のように使うリッチな学生を見せつけられ地方が出てきた貧乏な学生は惨めな思いをするのである

だが僕は銭ゲバの主人公のような思想は全く持ち合わせておらず金持ちを妬むようなことはない
嫉妬の炎を燃やして向上心に繋がるのは一握りの人間
分断なんていうのも僕が嫌いなタイプの左翼の言いがかりであり所詮みんなそれぞれ違っていてバラバラなのが当たり前なのだ
みんな一緒だよねという日本独特の教育は学校の先生とか狡い大人が管理しやすいから
男が女の分断を煽っているという言いがかりは社会的弱者の被害妄想でありそういう女は男女の対立を煽っているんじゃないか
性別が一緒だからみんな仲良くしようってそんな押しつけは無理です

華子の結婚はうまくいかなかった
それにしても離婚への展開は突然だった
それも高橋ひとみ演じる姑のビンタ
しかも両親がいる前で
そして3人とも和室で土下座するような謝罪
明らかにありえない異常な状況
なにがあったのかさっぱりわからない
華子が不倫でもしたのだろうか
なぜ詳細を描かないのか理解できない
僕が一時居眠りをして見過ごしたのだろうか

本当に優秀な女性は起業するのであって政治家になるような女性は馬鹿に思えてきた
女性の国会議員をもっと増やせと主張しておいてなったらなったで些細なことで足を引っ張る東京のマスコミや知識人には呆れる
いやそこは忖度しろよと

どんな終わり方をするのか観てる途中興味があったがこれはこれで良かったのかな
華子に代議士の妻は務まりそうもない

金持ちも色々と大変なんだなと
実力さえあれば頭が良ければ貧乏な生い立ちも関係ないんだよと原作者や監督は言いたいのだろうか
作品としてはわりと面白いがそれならあまりにも陳腐だ

野川新栄