「バラバラになりかけた家族をみつめ、支えてくれた「さくら」」さくら chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)
バラバラになりかけた家族をみつめ、支えてくれた「さくら」
原作を読んでから鑑賞 西加奈子さんの作品はこれまでもいくつか映画化され、やはり子どもの出てくる「まく子」以来でしょうか 勤勉なお父さん、優しいお母さんに、仲のいい2男1女のきょうだい、そして子供部屋つきのマイホーム購入、人も羨む家庭でした さくらを飼いだしてから家族に起る出来事は、どこの家庭にでもあるような話ではあるけれど、幾度となくおこる「危機」に、さくらは食卓の下で起こっていることを感じ、怒りや悲しみを受け止めてきました 話はできないけれど、尻尾を一生懸命振ることで家族の問題を癒してきました 西さんの初期の頃の作品で、郵便番号が5ケタであったり、携帯のない時代の話であるので、今なら家族のありようは違うものになったでしょう それだけさくらの役割も大きい時代だっと思います
人も羨む家庭であっても、仲のいいきょうだいであっても、その絆を揺るがす出来事が起こるもので、決してハッピーな終わり方ではないものの、さくらが果たしていた役割を感じます
西さんの出身地の住所が封筒に書かれているところまで、原作に「忠実」でしたが、みんなに愛されていたさくらの散歩用の鎖を使った長男、目の前のその行動にさくら自身もとてもショックを受けただろうと思います(あくまでも原作に忠実ですが)
子どもが小さいときは賑やかなマイホームも、子どもたちが一人二人と出て行けば、ますますさくらの存在の大きさを感じます 先月は「星の子」でも父親役だった永瀬正敏さん、優しさが言葉にできない不器用なおとうさん、よくあっていました(11月26日 ジストシネマ和歌山にて鑑賞)
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