「【時間軸を巧妙に入れ替えた作品構成が、不思議なサスペンスの迷宮に誘い込もうとする作品。】」ペトラは静かに対峙する NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【時間軸を巧妙に入れ替えた作品構成が、不思議なサスペンスの迷宮に誘い込もうとする作品。】
ー ハイメ・ロサレス監督は、7章立てで物語を進める。だが、時間軸通りではない。ー
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・著名な彫刻家ジャウメ(ジョアン・ボティ:77歳にして、本作で演技デビュー)の、傲岸不遜で権威を振り翳す、人間性の欠片もない振る舞い。こんな人間がいるのか・・。
・彼の過去、現在の行いのために、ペトラ(バルバラ・レニー)始め妻マリサ(マリサ・パレデス)や”息子”ルカスは、振り回されていく。人生を狂わされていく・・。
・ジャウメは、実はルカスが自分の子ではないと知っていたのではないか。出なければ、”お前の偽りの幸せを邪魔するためだった・・”などと言う言葉は出て来ないだろう。
<ジャウメは、自分で身を立て、名を上げながらも実は中身のない空虚な人間だったのではないか?
出なければ、あのような最期はを遂げる事はなかったであろう。
何とも、切ない物語。
第7章のペトラが全てを理解したうえで、マリサに対して行ったラストシーンに救われた作品。>
<2019年7-8月頃 京都シネマにて鑑賞>
<2021年8月11日 別媒体にて再鑑賞>
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