「稲村家の心配」ひとよ どん・Giovanniさんの映画レビュー(感想・評価)
稲村家の心配
個性的な俳優たちの負の感情を抽出して混ぜていて、刺激的な作品。「おばけ」に言及するが幽霊や妖怪は登場しない。
人間だけだが怖い雰囲気がある。
非常に不幸な家族の話で痛々しい。感情的になりやすく言葉で表現するのが苦手な大ちゃん(鈴木亮平)は、父に似たかもしれない。
稲村こはる(田中裕子)が魅力的ではあるが、謎過ぎて感情移入できず。もう少し深掘りして欲しかった。娘の園子(松岡茉優)との絆が深そうだから、きっと今後は大丈夫だろう。つい稲村家の心配をしてしまった。
タクシーのカーチェイスは、異常な状況で印象に残った。
母が運転するタクシーで雄ちゃん(佐藤健)にとっての転機が訪れたとすれば、ラストは雄ちゃんが運転するタクシーで母にとっての転機が訪れたともとれる。自分勝手と誤解されがちな雄ちゃんは、母に似たかもしれない。
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