劇場公開日 2019年11月8日

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「アカデミー賞?」ひとよ みみずさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アカデミー賞?

2019年11月24日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

難しい

映画館にわざわざ足を運ぶからには、
それなりの対価が欲しい。
観終えて長嘆息するのは本当に嫌なのだ。
だから、暗く落ち込みそうな映画は予め避ける。
これはそんなタイプの映画かと思ったが、
妻がどうしてもと言うのでお付き合い。

昼食後の時間帯で多分寝るかなと思っていたが、
最後まで眠くなることはなかった。
では、おもしろかったかというと、
そこまで心揺さぶられることはなかった。
一番印象に残ったのは次男の行動が、
我が家の息子のそれに酷似していたこと。
ストーリー自体に見るべきものはなかった。

殺されても仕方ない、死ねばいい、
そんな人間はいない!
何人の命も地球より重い!
などとは全く思わない。
この父親も殺されて然るべきと思う。
そして、殺した母親は最大限情状酌量され、
子供たちは手厚く保護されるべきだ。
それが社会の趨勢だろう。
それなのに社会の悪意を全面に出しているところに、
この映画に対する違和感がある。
シンパシーを感じない。
時に「覚悟」などのキーワードを散りばめるが、
心には響かない。
上記のような煽りが前提にあるからだ。

それでも評価が比較的高いのは、
俳優陣の演技にある。
特に、松岡茉優は煌めいていた。

社会派の映画ならばこそ、
もう少しリアリティと深みが欲しかった。

みみず