劇場公開日 2021年1月22日

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「真面目に見ないほうがいい」どん底作家の人生に幸あれ! keytonさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0真面目に見ないほうがいい

2021年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 欧州の映画は個人的には難色の強いイメージでしたが、今回は十分に楽しめました。
産業革命真っ只中のイギリスで裕福な少年が母の再婚である事件をきっかけに、資本主義の社会へ放り投げだされる。映画として楽しめるがこの作品は19世紀の英国風俗を学べる作品でもありました。特に債務監獄は本でしか知ることができなかったので、牢屋の様子や家財の没収の風景が見れたので良い勉強になった。
 回想に入るシーンがあるけど映写機を使いながら演技しているシーンが個人的にはとてもユニークだった。主人公と相手の間に映像が投影されていてスマートでわかりやすかった。
 シスコンの義理の父、ペテン師とその家族、バイオレンスな叔母と凧揚げに情熱を燃やす老人など日本では出会えない個性的な人物が出てくるので、主人公になりきって鑑賞すると実に面白い。
 私としては映画で人生を変えてもらおうという過度な期待は持っていませんが、この作品はコロナ渦の現代を前向きにさせてくれる良い映画でした。

keyton