劇場公開日 2021年1月22日

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「短編を重ねたようなストーリーで魅力が薄い」どん底作家の人生に幸あれ! おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5短編を重ねたようなストーリーで魅力が薄い

2021年1月28日
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鑑賞方法:映画館

寝られる

緊急事態宣言で公開作品や上映回数が絞られる中、たまたま仕事帰りにタイミングが合ったので鑑賞してきました。本作は、作家ディケンズの代表作の映画化らしいですが、そもそもディケンズなんて名前しか知りません。ましてや彼の作品なんて一つも知りません。そんな予備知識ゼロでの鑑賞です。

内容をざっくり言えば、幼少期から豊かさも貧しさも味わった男が、流転の日々の中で出会った人々をモデルにした作品を書き、有名な作家になったという話です。裕福な家庭に生まれたかと思えば、瓶詰め工場で働かされ、そうかと思えば裕福な親戚に引き取られ、また…という具合に主人公デイヴィッドの人生が目まぐるしく動きます。

そして、そんな波乱の人生の中で、当然のことながら多くの人と出会います。このデイヴィッドを取り巻く人々というのが、とにかく癖が強いです。もちろん彼の目を通してデフォルメされているからなのでしょうが、本当に個性豊かな面々で、デイヴィッドの人生にいろいろな意味で刺激を与えます。

こんな具合に、話の概要も登場人物も一見おもしろそうな素材ではあるのですが、残念ながら映画としてはおもしろくなかったです。まずストーリーは、繋がりの薄い短編が続く印象で、観客を作品世界に引き込む魅力に欠けます。終盤でいくらかの収束は見せますが、そこに至るまでがおもしろくないので爽快感は薄いです。

そんな感じのストーリーなので、個性的な登場人物も生かされてない印象でした。ユーモアやウィットを含んでいたであろう会話も、雰囲気から察することはできますが、内容がなんだかよくわからないところが多く、あまり笑えませんでした。意味がよくわからなかったのは、仕事疲れで数え切れないほど瞬間寝落ちしたせいだけではないと思います。

原作を読んだ人なら楽しめたのかもしれませんが、自分にはおもしろさが感じられない残念な作品でした。

おじゃる