どん底作家の人生に幸あれ!のレビュー・感想・評価
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エミリーと言えばエミリー・ブロンテ♥️
『デイヴィッド・コパフィールド』は『風と共に去りぬ』の中で『オリヴィア・デ・ハヴィランド』が読んでいる場面が登場するので、ガキの頃に読んだ記憶がある。でも、階級闘争とかその程度の印象しかなかった。
この映画に有色人種が沢山起用されているのは恐らく現在のウエストエンド(ロンドン)の舞台劇やオペラがそうなっているからだと思う。シュールな物語展開は一つの舞台劇としてみれば良いと思う。壇上に立つコパフィールドは観衆に向かって『この物語に登場する人物は実在します』と言うが、元々がフィクション。だから、どこからどこまでが現実か?ではない。全部がフィクションなのだ。
さて『エミリー』の人生の結末が違っていたように感じる。そして、この映画のエミリーは原作よりも重きを置いている様に感じる。そう!
エミリーと言えば『エミリー・ブロンテ』言わずもがなディケンズ氏と同時代の『嵐が丘』の女性作家である。
この映画がそう結末付けるのは嵐が丘に登場せし『ヒースクリフ』が『浅黒い肌の持ち主』と描かれている。ディケンズ氏が白人どうしの階級闘争を描いたのに対して、エミリー・ブロンテは人種問題を暗に取り入れていると言った解釈だと僕は思った。
実はこの映画二回目で初めて見た時はちんぷんかんぷんで合った。
ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』やゴシック・ロリータもリスペクトしてるね♥️
面白い。だが、残念な作品。
主観的には高い幸福感で暮らすための秘訣!?
私は場違いよね 物語から消して
期待ほどには
現実なのか物語の中なのか?場面がコロコロ変わるからついていけてない...
萌えるけど物足りない
いつでも、どんな時もクサらず、悲観せず生き抜いた主人公に乾杯!
文庫本で4冊から6冊にも訳されている本作。2時間にまとめるのは、かなりの荒技。なので、展開が早すぎて、ダイジェストの趣きだった。とはいえ、それだけの長編を2時間にまとめたのだから、すごいっちゃあすごい。それも登場人物も多いので、整理するのも大変だったと思われる。そして、主人公のまわりに現れる変わった人々。しかも、多様な人種で描かれていた。本当にめまぐるしい展開について行くので精一杯だった。タイトルがひどい。中身と乖離している。世界十大小説にも選ばれていて、何度も映画化されているので、今までの作品と差別化したかったのは理解できるが、センスが感じられない。単に「デビッド・コパフィールド」でよかったのではないか。ともあれ、主人公ががんばっている姿には感動を覚えた。
『ディヴット・カッパーフィールド』を読んでから観ましょう。
①イギリスの国民的作家ディケンズの代表作であり、英語圏の人なら生涯に一度は読んだことがある筈の『ディヴット・カッパーフィールド(以後DCと呼称)』(世界十大小説の一つとのこと)。読んだ人は楽しめるのだろうと思う。しかし、読書好きと自分で言いながら恥ずかしながらまだ読んだことが無いのです。②従って、最初はDCが自分のこれまでの人生を振り返って語るという形式を取っているのに馴染めず(後で『DC』はディケンズの自伝的要素が強い小説と知って納得)、19世紀イギリスの話なのに白人・インド人・黒人・アジア系のキャストが入り乱れているのに違和感を覚えつつ観ておりました。退屈では無かったし、ご贔屓ティルダ・スウィントンを見ているだけで飽きなかったし。③そのうち物語世界に慣れてくると違和感は無くなったし、こんな風に色んな人種の役者に各キャラクターを演じさせるのはボーダーレスが進む現代の映画らしいし、その一種猥雑は感じは逆に原作に通じているのかも知れないとも思えた。④膨大な長さの原作(文庫本で5冊文)を2時間の映画にするのでダイジェスト版みたいになるのは仕方ないとして、過去に様々に映画化されているので、英語圏の人は今回はどういう脚色でどういう切り口でどういう新味で描いているのかを楽しむのでしょう。ただ、元ネタを知らない人間でも楽しく観れるというのが映画のグローバルスタンダードとするなら、その点では1個の映画としては片手落ちではあるだろう。⑤キャストではティルダ・スウィントン以外ではアグネス役のロザリンド・エリーザーがなかなか魅力的。また、イギリス英語はやはり格調高くて耳に心地好いですなぁ。
英国の品良しコメディ!
チャールズ・ディケイズと政治風刺作家の世界観を融合!!
『オリバー・ツイスト』『大いなる遺産』など何度も何度も映画やドラマ、アニメ化がされ続けていて、日本でも毎年ホリエモンが『クリスマス・キャロル』の舞台公演をしているし、今後も『クリスマス・キャロル』の新作ミュージカルをウィル・フェレル主演で映画化される企画があるなど、世界中で愛されているイギリスの大文豪チャヘルズ・ディケンズの半自伝的作品『デイヴィッド・コパフィールド』自体も何度も映像化されている。
1999年にはハリー・ポッターで話題となる前のダニエル・ラドクリフが出演していたBBCのミニドラマシリーズも製作され、日本でもハリー・ポッターのヒットに便乗して、DVDがリリースされた。
ちなみに一時期日本公演でも話題となっていて、今ではすっかりラスベガスのエンターテイナーとなった、デヴィッド・カッパーフィールドの名前の由来はこれからきているのだ。作品自体も発音的にはカッパーフィールドの方が正しいらしい。
そんな『デイヴィッド・コパフィールド』の再映画化となるのだが、思い切って主人公にデブ・パテルを起用。デヴ・パテルは『ホテル・ムンバイ』『スラムドッグ$ミリオネア』などで知られる俳優でインドの俳優に思われがちではあるのだが、両親がインド系移民であるだけで、デヴ・パテル自身は生まれも育ちもイギリスの正真正銘のイギリス人なのだ。
しかし、見た目がインド系であるため、どうしても役として回ってくるのはインド人という役が多い中で、今回はちゃんとイギリス人として扱われていて、どんな身分やどんな人種の差別もしてこなくて、平等に描いてきたチャールズ・ディケンズの精神が反映されているようだ。
波乱万丈を絵に描いたような、怒涛の転落からの逆転劇で、裕福な家庭も貧しい家庭もどちらも経験したからこその、幅広い人間観察力というのは培われてきたのだと思わされる。
ディケンズの作品は、極端にお金持ちを悪としないで、あくまで平等に描いていているわけだが、それはひとつ転べば同じ立場になってしまうからであって、その背景として、当時イギリス経済不安なども反映されているわけで、ディケンズ自身が生きてきた時代が正に不安定な世界だったということが感じられる。
『オリバー・ツイスト』『クリスマス・キャロル』など多くの作品で、貧困は描き続けているわけであるが、そんな中でも心まで貧しくならずに、どうにか人生を輝かせようと奮闘するちょっとクセのある、クセのありすぎる登場人物たちのアンサンブルはコミカルでおもしろいのもディケンズ作品の特徴でもある。
監督のアーマンド・イアヌッチは政治風刺が得意であるのだが、同時に皮肉交じりの会話劇を描くのも得意な監督なのだ。『スターリンの葬送狂騒曲』を観た時に「風刺漫画のような映画だな」と思った記憶があって、今回はそんなテイストとディケンズのテイストが見事に融合していて、ティルダ・スウィントンやヒュー・ローリーがオーバーリアクション演技で誇張されてはいるものの、キャラクターの本質は外さないのが流石だし、セリフ自体もやはりおもしろい。
評判になっているベン・ウィショーの絶妙な気持ち悪さは確かに必見である。
『不思議の国のアリス』とか好きな人にオススメ
ディケンズ
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