9人の翻訳家 囚われたベストセラーのレビュー・感想・評価
全201件中、141~160件目を表示
覆面作家は○○いる
翻訳家たちが豪邸に幽閉されている時間を基軸に、過去と未来が錯綜するので若干混乱するが、かなり周到に練られた脚本であることは間違いない。そして語るべき内容を過不足なく映像で語れているのは見ていて気持ちがいい(そうでない映画も多い)。この監督の「タイピスト!」が好きだったので見ようと思ったのだが、ミステリ映画でオリジナル脚本というのも立派だ。
ポール・マッカートニー似の青年は、よく考えると確かに回りくどいことをしすぎとは思うが…。個人的には「エラゴン」を書いた早熟のクリストファー・パオリーニを連想した。
翻って、着想のもとになったという「インフェルノ」の逸話は、さほどの小説とも思えないのに、たいそうなことをするもんだと訝しんだ。
アタリ
期待しないで見たらなんとも面白かった! ナイブズアウトに続いて鑑賞 フランス語を翻訳する訳者を集めるというプロットがユニークだし、脚本も秀逸 中盤に容疑者が特定されるんだけど、そっからどうなるの??で最後まで飽きさせない話運びの上手さよ 最近英語を喋るドイツ人の映画(ジョジョラビット)を見たもんで、フランス語が喋られるキャストをきちんと集めたのにも感心 ハリウッド制作でなくても面白い映画作れるんだなあと
【「失われた"時"を求めて」・・・】
ー 序盤はアングストローム(ランベール・ウィルソン:彼が本を愛する男から、利益に走る男になっていく姿の変容する様が観たかった・・。)の姿に激しい嫌悪感を覚える。ー ・アングストロームが行う、翻訳者たちの扱い。 監禁、人権侵害、傷害、自殺幇助 そして・・・。 ・”お前、いい加減にしろよ!”と思いつつ、脚本の瑕疵も気になる。 (各自、突っ込んで下さい・・。) ◆私が特に気になった所 ・カテリーナ(オルガ・キュリレンコ)はどうなったちゃったの? ・ダリオを演じたリッカルド・スカマルチョの劇中での使い方、空回りしていない? ・二人の対峙の場面も予想通りだったしなあ。 (アングストロームの立場は予測できたが・・、対峙している相手までは予想したが・・当たった・・。) <けれど、"自分のものは自分で守れ"という信念を貫いた、かの人の姿には”ぐっと”来た作品。 作品全体の空気感を含め、特に後半は見応えがあった作品。 只、集った翻訳者達の一人ひとりの背景がきちんと描かれていれば、もう少し作品に深みが出たのではないかなあ・・・と思った作品でもある。> <2020年2月12日 名古屋駅前 ミッドランドスクエアシネマ2で鑑賞>
ミステリーの中にミステリー
翻訳している作品はミステリー 映画本編もミステリー 翻訳している作品が、監禁されているのに漏洩していく 少しずつ、明らかになる真実。 完全にスッキリしたとは個人的に言えない部分もあるが、作り込まれたミステリー。 犯人が途中で明かされても、方法が分からなかったり。 色んな仕掛けを楽しめた 最近はあまり事前情報を入れずに直感で観たいって思った作品を観てるので、 期待値も高くないからか、楽しく観れた。 私も翻訳された作品を本では読むが、出版社って色々大変なんですね
映画全体としての謎解きに唸らされる
強烈な印象が残る作品である。冒頭の手品師のネタに関するモノローグが映画全体の謎解きを暗示していることに暫く気付かなかった。本棚が燃える背景も、その時点では意味不明であった。 ストーリーは公式サイトにある通り、世界的なベストセラー小説の続編を世界同時公開しようと目論む出版社の社長が、9人の翻訳家を一箇所に閉じ込めて翻訳させるという話である。外部とのあらゆる通信手段が封じられ、社長のスマートフォンだけが外部に連絡できる。しかし翻訳がある程度進んだクリスマスの夜に、誰も持ち出せないはずの原稿をインターネットで公開するという脅迫メールが社長のスマホに届く。 オルガ・キュリレンコ目当てで鑑賞したが、ストーリーに引き込まれてしまって、彼女の美貌や伸びやかな四肢を楽しむどころではなかった。そういうシーンもあるにはあったのだが。 インターネットが世界中に行き渡った現代では、紙の本の出版は採算ベースで考えるとかなり難しい。60万部を超えた田中みな実の写真集など、例外的な大ヒットを記録する場合もあるが、大抵の新刊はあまり売れない。岩波文庫の古典は根強く売れているかもしれないが、それは小説家を志す人が主な購買層という皮肉な可能性もある。 ただどんなジャンルにもコレクターがいて、小説も本として買い揃えたい一定の層が存在する。人気の小説であればその層も厚くなり、売れない紙媒体の本でも数百万部という大記録を達成することがある。 本作品の「Dedalus」第三部はそうしたベストセラーの典型という設定で、なんとしても販売部数を伸ばして巨額の利益を得ようとする出版社社長の拝金主義、我利我利亡者ぶりが浅ましい。目的のためには手段を選ばずで、間違いなく人権侵害に相当する監禁の中で、9人の翻訳家たちはそれぞれの目的で翻訳作業を続ける。 ストーリーについては何を書いてもネタバレになりそうなので迂闊なことは書けないが、登場人物それぞれの視点での真実の吐露が、時間的空間的に重なり合ったり食い違っていたりと、観客が最後まで翻弄されることは間違いないと思う。長いジェットコースターに乗っているみたいに、左右上下に次々に現れる謎解きに息をつく暇もない。 世界観も広く、人間ドラマもあり、サスペンスも味わえて、映画全体としての謎解きに唸らされる。映画にこれほど心を揺さぶられた経験はあまりない。ドラマとしてもエンターテインメントとしても素晴らしい作品である。
オーソドックスな謎解きではなく、面白かった
ベストセラー小説を世界同時発売するために、主要各国の翻訳家を集め、スマホ回収、外出禁止の状態にしているのに、「大金を払わないと、原稿をネットで公開するぞ」という脅迫が届き、翻訳家たちが疑われる話。 最初は「誰?」、次に「なぜ?」、最後に「なるほど」と。推理小説とコンゲームが入り混じった話で、楽しめた。 フランス、ベルギー合作映画らしく、"痛快" ってわけではなく、考えることが多かったけれど、文学への愛が伝わってきた。起きることに対して、「そんなにはしないでしょう」と俺が思ってしまうのは、世界的ベストセラー小説から生まれる金額や、密室状態に置かれた人間たちのことを、実感としてわかってないからだと思う。 金を払った価値はちゃんとあった。
外国語の入り乱れ
実話であれば、もう少し大胆な展開にできた気がしないでもありませんが、実話に基づいて作ると、このスケールになってしまうのでしょう。 最後まで首謀者が当てられなければ楽しめ、最初から予想がついてしまう人にとっては駄作。 自分の目で確かめる価値は…ある、かな? 地上波には降りてこなさそうだし?
迷っているなら断然コチラ!
名探偵と刃の館と どちらを観ようか迷っているならコチラが断然オススメです 好みにもよるんでしょうけど アチラは作り物の謎解きで コチラは血のかよった人が出ている謎解きです アチラ星3つにしましたけど この星半分の差はけっこう大きいです まぁ結局は好き嫌いの問題なんですけど
関心はするが、感動には至らない
知人がやたら推していたので見てきました。 前半がとにかく退屈でしたが、中盤からはそれなりに楽しめました しかし最後まで見て、満足感が残ったかと言えば、そうでもなく。 いえね、ミステリーとしてよく考えられていると思います。 本編でもちらっと出てくるように、アガサ・クリスティー的でもあるし 前半の退屈さが後半で覆されるのは「カメラを止めるな」を想起させます。 2転3転する終盤の展開、言葉のレトリックのみで相手を破滅へと追い込んで行く手法などは、西尾維新の戯言シリーズ(「クビキリサイクル」「クビシメロマンチスト」等)を思い出しましたよ。いや、うまいです・・ほんと。 ただ・・「で?・・それで?」ていう感じなんですよね。 「ミステリーのいいアイディア考えついちゃった」と言う以上のもの・・言い換えれば、映画的魅力を本作からは感じなかったんですよね。シナリオで勝負するなら、序盤から謎とフックを散りばめて牽引するべきだし、後半のちゃぶ台返しで前半の退屈さの帳尻合わせをするなら、せめて登場人物たちのキャラクターで牽引したいところですが、どうにもキャラが弱い。9人の翻訳家も、彼らを集めた社長も、ちょっと魅力に乏しいなと感じました。 過度な期待をしなければ、見る価値は間違いなくあります。 2回見たら評価がまた変わりそうな映画ですが、2度みたいという気にならなかった時点で、わたしには合わなかったのだろう・・という事でこの点数でご勘弁を
普通に面白い。
普段ミステリーをあまり観ないので、私は楽しく観れました。テンポも早く、まさかの展開に思わず唸ってしまった。 一度に9カ国語を聞けるのは楽しい。 可もなく不可もなく、無難に観れるミステリー映画です。
フランス味が濃くて、そのあたりで好き嫌いが分かれそう。冒頭のシーンで思ったことは多分正しいです(がっつりネタバレ)
映画は本と書店が炎に包まれて焼かれているシーンから始まります。「本に関する映画なのに本にリスペクト薄いスタッフなのか?!」と憤りますが、後でこれは逆なのだと気付きます。あのシーンはいわばジェノサイドです。だって本の悲鳴が聞こえてきそうな映像だったし。そして映画は焼き殺された本と書店と文学を擬人化したような恩師の弔い戦であり復讐劇です。
映画の最中犯人は何度も何度も同じことをいうのですが、正直薄い言い訳のように感じてあまり深く考えませんでした。殺している。許せない。結局あれは真の動機なので、映画中私たちはずーっと告白されているようなものだったんだと思いました。繰り返されるそのセリフがどれだけガチなのか始め気付きませんでした。
犯人は最近大事なものを失ったというシーンがあります。それがなんなのかそのシーンでは判明しないのですが、それは本であり、あの大事な書店であり、恩師なんだと思います。
被害者が出たあたりで計画を止めないのを不思議に思うのですが、復讐心が思っているのより何倍も根深い。ミステリー物に馴染んでいるとアルアルだと思いますが、一度人を殺したことがある人は、また殺します。なのであの事態を予想できなかったとは思えません。でも復讐したかったんだと思います。
この文学に対しての情念の描写がねっとりしていてフランス映画風でちょっと苦手でした。
残念な一作
9人の翻訳家が集められての
密室的なミステリーを期待して
見に行ったので…
何か違うって言うのが一番の感想です。
色々いいたい事ありますが
やっぱりここから
言わなきゃ行けないかな…
話がちっちぇえ
わかんないだけど
世界的に同時に翻訳本が出るとか
何かそんなにすごい事なのでしょうか?
今時ひとつの小説がでることが
何か世界的な唸りになるんでしょうか?
オイラにはよくわからなくて
どうにも話に載れませんでした。
好きなシーンはいくつもあったし
刑務所での最初は誰が犯人なのか?
犯人がわかってみると
捕まってるのはこっちかい!
みたいなとことか
実はこいつらグルなのかーい
みたいなとことか
部分的には楽しく見れたのですが
なーんかどうでもいいんですよね…
うーむ何か残念なんだよなー
虚構と現実
随分と大胆な構成だった。
いや、久方ぶりにミステリーらしいミステリーを観たような感じがする。
バラけたピースが瞬時にカチッとハマり1枚の絵になる感覚を覚える。
端的に言えば復讐劇なわけなのだが、最後の最後まで分からないし、囚われたベストセラーとはよく言ったものだ…入念なミスリードが最後まで続く。
事実は小説より奇なりってのがまさにコレで…おそらく仕掛けた側の計画は、途中で挫折するのだ。ただ1点を除いて全部喋ってるようにも思える。勿論、周到な防御策は張ってあり、そのおかげもあって完全に瓦解する事はなかったのだが。
結局のところ、トリックのほぼ全てを僕らは知る事になってた。
なのだが、それが真実かどうかは疑わしいと考えてしまうのだ。推察の映像化って手法を当て嵌めてしまう。ただこれも、ちゃんとした答え合わせは本編の中でしてありはするんだけど、何故だかその推察を肯定するのではなく、それとは別のトリックに関連付けようとしてしまう。それ程までに、推察の内容に信憑性を抱けないでいるのだ。
いわゆる、邪推してしまうのだ。
ただ、事が動き出すまでは本筋が何かさえ明示されない。その辺りは常套手段ではあるのだけれど、自分のコンディションもあって若干の睡魔に襲われる。
以降、継続的に睡魔は俺の瞼に悪さをし、所々ブラックアウト。
興味深いネタでもあったのだけど、残念だ。出版業界の内側というか、ベストセラーをベストセラーとする為の労力みたいなものが語られる。今はインターネットの影響で相当な損失を被ってるみたいだ。
後は翻訳家のスペックの高さというか…何カ国語も話せたりして驚く。いや、映画の中だけの設定なのかもしれんけど。
総じて、1回目よりは2回目の方が楽しめるのではないかと思う。
タイトルなし
ミステリー作品なので何かは起きる だろうとは思ってましたが ぐぐぐぐっとのめり込ませてくれる なかなか面白い作品でした。 世界的ベストセラー小説「デダリュス」 このミステリー小説を各言語に 翻訳するため9ヵ国から翻訳家が 集められるんですが、 翻訳を行うのに隔離され、 制約もあるっていうこの設定が面白かった。 観た後で知りましたけど、 「ダ・ヴィンチコード」で有名な シリーズ小説の4作品目の翻訳の際に 各国の翻訳家を地下室に隔離して 翻訳をさせたっていう 事実をベースにした設定なんだそう。 出版前に内容が流出したら、 売上に打撃があるでしょうし 出版元としては色々大変なんですね~ まぁそんな状況下でお話しは 進む訳ですけど、これ本当に面白い 作品なのかなぁ?なぁんて思った 部分も正直あったんですが、 ミステリー性が展開しスリラーな部分も 含んで加速度的に進むあたりがどんどん 面白くなって目を離せなくなりました。 9人の翻訳家っていう位なので 様々な言語が入り乱れるシーンは ドキドキ感とスピード感があって 見応えありました~。 知らない役者さんが多かったですが 「テリーギリアムのドンキホーテ」にも 出演していたオルガ・キュリレンコさん、本作でも美しかったです😍
楽しい終末世界へ。
質の良い推理小説を読んでいる時の感覚、あの快感を味わえる映画作品だった。 小説を書く者、翻訳する者、小説を売る者、登場人物の全員が本に関わり、物語の全てが本に関わっている。 読書が好きで好きでたまらなかったあの頃を思い出しながら観ていた。 ミステリーっていいな、と再確認。 「誰が、なぜ、どうやったのか」「一体何のために、何をしたのか」を少しずつ推し図りながら読み解いて鑑賞する楽しさと刺激。 私の考えなど簡単に外れ、物語が遥かに越えてくれる喜び。予想外の展開、ひっくり返る思考。 奥深い真実が示された時のどうしようもない切なさ。 美しく構成と鋭いストーリーの前にひれ伏すしかない。 文学への愛と執着、人間への愛と執着。 曲者キャラが揃う中、「原稿の流出」という事件はなんだか地味に感じてしまい、最初はローテンションだった。 しかし、「種明かし」が幾つも連なるごとに驚愕のテンションが重なり、後半はもう高まる一方。 行ったり来たりする舞台と時間の演出もお見事。 洒落にならない悲劇も起きていくけれど、振り返るとロマンに溢れた物語でもある。 謎に包まれた著者に会いたいと、最新作を一早く読みたいと、を素直に吐露した彼女。 アニシノバの狂信的で純粋なファン心理は非常に人間らしくて良い。 しかし「デダリュス」の表紙がかなりダサいのがずっと気になった。 もう少し品があってスタイリッシュなデザインにすればいいのに…と、本が映るたびに思ってしまう。 大学で研究されるほどのベストセラーなら尚更。 存在しない小説だとは知りつつ、デダリュスを読んでみたい気持ちは抑えられない。暗証番号は覚えた。
しっかりしたミステリー
久しぶりにしっかりしたミステリーが見たい、というならば適作。話の展開は一癖つけつつ、わかりづらい部分もなく、確かな感触。役者の芝居や演出も安定感あり。 見終わってトリックを振り返ると「そういうことなら、あれはなんだったのか?」というところはあるけれど、まぁミステリーにはつきものの、惹きつけるためのアレってことで。ご愛敬。 ミステリーを見たなー、って感じで映画館を後にできます。意外とないですよね、こういう直球ミステリー。
ENIGMA 自分の物は自分で守るべし
レビュワーの琥珀さんにオススメされたのでちょっと遠方まで足を伸ばして観に行ってきました。あまりフランス映画って観たことなかったのですが面白かったです!
なんか犯人の正体がわかった後の中盤からは怒涛の展開でしたね。え?ええ??えー!みたいな。登場人物が各人一癖も二癖もありそうなのですが、その辺はけっこうサラッと流され中盤からはアレックスに集約されていきます。単なる作家好きかと思ってたらメッチャ頭良いわ~。というか最初っからお爺ちゃんの復讐の為だったんですね。最初のシーンに繋がった時には「あーなるほどねぇ」でした。
逆に謎めいた美人翻訳家カテリーナを演じてたオルガ・キュリレンコに大した謎はなかったという結果に。そういや結局最後はどうなったのでしょう?ハッキリしないで終わるのがフランス映画っぽい?
EU圏内だと色んな言葉に翻訳しなくちゃいけないので出版社って大変ですね。先ず利益の薄いギリシャから殺そうか?ってセリフはちょっと面白かったです。しかし、根本的に本が出版されるだけで、あそこまでおおごとになるのか?って所にどうしても疑問を感じてしまいました。本を読むのは大好きですし、寝る前はベッドで本を読む習慣がある人間なのでネタバレされたらメッチャ腹立つのはわかるのですが・・・ヨーロピアンならやりそうなのかな?っと思って検索してみたら翻訳家を地下に閉じ込めたって所が実話の部分らしいですね。しかも原作者ダン・ブラウンの許可済みだったようです。ダン・ブラウン怖ぇぇ!
全201件中、141~160件目を表示