「フーダニット・ハウダニットに少し驚き、ホワイダニットにほろりとくる一作」9人の翻訳家 囚われたベストセラー スモーキー石井さんの映画レビュー(感想・評価)
フーダニット・ハウダニットに少し驚き、ホワイダニットにほろりとくる一作
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本作は架空の世界的ベストセラー小説「デュダリス」の最終巻出版前に小説の原書がネットに一部流出。
作品を人質(?)にとられ、出版社側に身代金を要求される展開となる。
容疑者は世界同時リリースに向けて、招聘された欧州を中心とした各国の翻訳家たち。
はたして犯人は誰で、何が目的なのか?
何かと世間をさわがせているラングドン教授シリーズ小説製作の裏側から着想を得たという本作。
2か月間隔離の上、情報漏洩対策として外部との通信を遮断された極限状態自体は実際にあったというから驚きである。
さらにそこへ来ての謎の人物からの情報漏洩。
極限状態は過酷さを極める。
ミステリものにはつきものの二転三転するストーリーは観ていて飽きない。
また、犯人からすべてを明らかにされ、動機を知った時ほろりとくる一作。
映画ももちろんだが、文学もまた大切な財産だと。
作家さんたちとその作品を愛する者の貨幣価値では測れない愛情を感じる作品だ。
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