永遠に僕のもののレビュー・感想・評価
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残る複雑な余韻
カルリートスの殺害には差し迫ったものもなければ、必然性や怒り、或いは、高揚感もなく、観てる僕まで不感症になりそうだった。
この物語が実話をベースにしたものだというのだから驚く。
フィクションにしろ、ノンフィクションにしろ、映画で殺人鬼を描く場合、どこかに感情の起伏が出るものだが、カルリートスは徹底した不感症だ。
ロレンソ・フェロは男から見ても惚れ惚れするほどの妖艶な魅力をたたえ、抑揚を最大限に抑えた演技もデビュー作だとは思えないほどだ。
実在のカルリートスも相当な美男子だったらしいが、このロレンソ・フェロを見たらどう思うだろうか。
自分と同じだと思うのだろうか。
繰り返しになるが、実話として驚く。
そして、純粋悪とはこのようなものかと問われれば、同意もしづらい。
ただ、ゲーム感覚かと聞かれると、そんな気がして来て、もしかしたら今時、こんな奴がもっと出てくるのではないかと考えて、なんとも複雑な余韻の残る映画だった。
上質のコメディ
ロレンソフェロの美貌に頼り過ぎではないか? いや、公開初日で補助席...
ギャングの組織に属していないアウトロー ??
配給会社を紹介するオープニングがが終わるや否や、主演のカルリートスを演じているロレンソ・フェロがタバコをふかしながら家を物色しているところから始まる。彼の精神構造を垣間見ることができる彼自身の心の言葉..........。
Are people crazy or what?
Doesn't anyone consider being free?
Go wherever you want to go.
However you want to.
We all have a destiny.
I was born a thief.
I don't believe in "this is yours and this is mine".
自分一人だけで、勝手に人の家に上がり、手近なものを盗んでいたが、ある時、学校でハンサムでヤンチャそうで、しかも自分とどこか同じ匂いのする生徒を見つけ、気を引くためにわざと怒らせる様なことをするカルリートス。その彼の気を引いたのが、同じ学校の生徒であるハンサムに加え、男らしい外見のラモン。その後、彼と盗みの仲間となる。そのラモンの両親も何か異様な、ある意味性的なものを感じ、また裏の仕事をしていてそうな雰囲気を備えていた。
1971年当時のアルゼンチンのブエノスアイレス、よその国でも観光客は治安対策のために危険な場所がないか地元の人に聞いたりして対処するが、現在のブエノスアイレスですら、そんなことは容赦しないらしいので、70年代のブエノスアイレスなら、もうどうしようもないと想像できる。
最初、カルリートスとラモンは、面白いように盗みが成功し、高級宝石店や銃砲店に押し入り、手当たり次第に高価なものを盗んでいった。ある時、カルリートスが、ある宝石店でイヤリングをつけて鏡に映った自分の姿にうっとりしているところにラモンが来て、
You look like Marilyn Monroe.
-I look like my mom when she was young.
その時を境に、映画を見ているほうのものが何故か2人の関係が、男同士というよりも性的に惹かれあっているのではないかと見えてしまうし、そのような有様を差別的用語のfag という言葉も飛び交うし、その人たちが登場する場面も出てくるので、この映画がただのクライム映画としてだけでなく、男同士の恋愛のもつれについても表しているのではないかと個人的には思えるのだが........?
カルリートスの美男子という外見だけでなく、20歳そこそこの若者が、異様ともいえる男の色気やしぐさ、しかも天才的に人を丸め込んでしまう能力。しかし、その彼の精神構造が、自己中はもちろんのこと人のものは自分のもの、自分のものは自分のもの。邪魔をする奴はころしてしまう。手に届かない奴も、殺してしまう。
新聞の見出し
MADNESS, LOVE AND DEATH
BLONDE ANGEL TAKES CREDIT
FOR 11 DEATH AND 42 ROBBERIES
DUBIOUS SEXUALITY
OF THE BLACK ANGEL AND HIS CRIME BUDDY
THE LADY FACE CHACAL TALKS
最後には、誰でもない、彼を心の底から愛していた人物から裏切られることとなってしまう。
先日、来日した主演のロレンソ・フェロ、髪型のせいか、かなり映画とのギャップが見受けられた。失礼ファンの皆様。
アリゾナ州フェニックスの日刊紙、Arizona Republicの記事から「物語のすべてが、恐怖と魅力のバランスをとることに尽力するために捧げられていて、しかも主演のロレンソ・フェロが魅力的なキャラをよく作り上げている。」アメリカの公共ラジオネットワーク、NPR「この映画は、プロデューサーであるペドロ・アルモドバルの作品として勧めるのに十分に肉感的である。」
タンゴの国アルゼンチン、もちろん音楽も流れて心地よさは抜群。しかし、有名な映画のラストとクリソツに加え、警官や軍隊の軍服、しかも兵隊のヘルメット、止めてあるトラックも全部含めて、マッサラサラのサラ。なんですかこれは ????
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