「脳の作りが違うんだろうな、と。」永遠に僕のもの syuntokiさんの映画レビュー(感想・評価)
脳の作りが違うんだろうな、と。
ずっと気になっていた映画。実話をもとにしたストーリーであることは知っていた。観終わってから「黒い天使」「死の天使」と称された犯人「カルロス・エディアルド・プッチ」を検索すると、残されている画像と映画のシーンがそっくりであることに本当に驚かされる。主演のロレンソ・フェロが、撮影初日から顔の角度やら仕草やらの指示で大変だったと語っているが、それほどに監督のこだわりが大きかったのだろうと思われる。
で、肝心の内容だが、善悪とか、人として云々とか、そんなことは全く何も感じられないほど簡単に犯罪を犯し、人を殺していく。70年代のファッションに身を包んだ主人公のカルリートスが醸し出す妖艶な雰囲気に、時間を忘れて見入ってしまった。挿入歌も秀逸だし、ちょいちょい表現されていたカルリートスの性的嗜好が感じられるシーンがエロティック。欲望のままに犯罪を繰り返す様からは「自制」「忍耐」「我慢」などの思考は一切感じられず、ストーリー自体は胸糞ものではあるのだけれど、独特の雰囲気があって余韻が残る。辛口のコメントもあるが、機会があれば、ぜひ一度は観て欲しい作品。
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