ヒキタさん! ご懐妊ですよのレビュー・感想・評価
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デリケートなテーマをコミカルに
男性不妊からの妊活を夫婦の愛情や周囲の反応を交えてコミカルに描いた作品。主演松重豊が悲喜こもごもで妊活する夫役を好演。編集者役の濱田岳が作品全体の良いアクセントになってた。いなかったらちょっと単調だったかも。
☆☆☆★★(前半) ☆☆★★★(後半) ↑ 人によっては逆の場合も...
☆☆☆★★(前半)
☆☆★★★(後半)
↑ 人によっては逆の場合もあるか…と。
原作未読。簡単に。
前半部分に面白い台詞や。男なら行き場が無く、どうしていいか分からなくなるだろう、あるあるが笑いを誘う。
部屋の中央にカメラを据え、1周すると1年過ぎていたり。同じく夜の場面で廊下を映し、(おそらくは)照明の当て方で明るくなり。朝になった…等の演出は観ていても悪くない。
それらの面白い台詞や、細かな演出等は残念ながら記憶力不足で。次に観た作品を観終わって、次々と忘れてしまったが(p_-)
後半になり、義理の父親である伊東四朗の言動や行動に苛々させられる等。一切の笑いの要素が無くなってしまい(ひょっとしたら有ったのかも知れないのだが…)段々と興味が無くなってしまったのは残念。
ただ、この辺りから。妻役の北川景子のほっこりさが際立って来るところは。今更ながらも、北川景子の演技を始めて良いと思った。これまでの彼女とは何処か違っていた気がする。今後もこんな彼女を観てみたい。
主演の松重豊は映画初主演なのだとか。
井之頭五郎とゆう当たり役があるだけに、少し意外な気がした。『孤独のグルメ』よろしく、力が抜けた良い演技でした。
2019年10月6日 イオンシネマシアタス調布/スクリーン8
子供を作ることを肯定するか
個人的な見解ではあるが、俳優の演技を評価するとき、演じているように見えないことを一番の判断基準にしている。亡くなった樹木希林が名優として評価されるのは実にその点だと思っている。老婆を演じることが多かった晩年も、見えているのはたしかに樹木希林なのだが、映像の人物は役の人物にしか見えなかった。「日日是好日」のお茶の先生は権威主義だが優しさに溢れていて、「万引き家族」のおばあちゃんは狡猾なニヒリスト、「あん」の徳江さんは悲運にめげないで周囲を明るくする太陽みたいな人で、それぞれの役を思い出すと、それぞれの作品が浮かんできて胸が熱くなる。凄い女優であった。
さて本作品の北川景子は樹木希林の域にはほど遠いとはいえ、かなりいい演技をしたと思う。愛する旦那さんの子供がほしいとメルヘンな気持ちで望んだが、いわゆる妊活は大変である。諦めずに真面目に取り組む姿勢に同情してしまう。年の離れた夫役の松重豊がとても上手で、コミカルな中にも年を取った中年男の悲哀がにじみ出ている。味のある役だ。嫌味で高圧的な父親役の伊東四朗が役にぴったりで、ぴったりすぎて逆に笑ってしまった。
全体に面白く鑑賞はできたが、ひとつだけ疑問がある。女性は子供を産みたいものなのだろうか、という疑問だ。少し前に電車の中で18歳くらいの娘とその母親の会話で次のようなやり取りを聞いたことがある。
「あなたも結婚して子供ができたらまた人生が変わるわよ」
「私、結婚はするかもしれないけど、子供は産まない」
「あら、どうして?」
「子供は産みたい人が産めばいいし、それは全然否定しないけど、女性全員が子供を産まないといけない訳じゃない。私は産まない」
「そう」
どうしてこのような会話が生れたのかは不明だが、会話自体はなかなか面白い。ふたりとも民主的な考え方で互いに寛容だ。個人的にはこの母娘に好感を持った。会話自体は母親の「そう」で終了したが、この後の母娘の人生がどうなっていくかについては様々な展開が予想される。一番考えられるのが、娘が結婚して、やっぱり子供がほしいと言って孫ができる話だ。世の中に溢れかえっている話だが、そこでも同じ疑問が残る。女性は子供を産みたいものなのだろうか?
太宰治の「斜陽」の主人公も、妻子持ちの男に「他には何もいりません、ただあなたの子供がほしい」と告白する。未婚の母になることが分かっていても、そのために経済的に苦労することが分かっていても、子供がほしいと言う。当方の知り合いにも未婚の母が数人いるが、彼女たちに絶望感は見られない。一般に男性の方が女性よりも悲観的だ。女性は現状を肯定し、将来に対して楽観的である。自殺者の7割は男性だ。厚生労働省の統計データだからあまりあてにならないかもしれないが、男性の自殺者のほうが多いのは確かだろう。
女性は子供を産み、生れた子供が女性だったら再び子供を産む。その連鎖が人類にとって幸福なことだというエビデンスはない。しかし子供が生まれると誰もがおめでとうと言う。もちろん当方もおめでとうございますと挨拶する。しかし心の中では、子供が生まれることは幸福な出来事かもしれないが、ひとつの不幸が生まれることでもあると思っている。
本作品には子供の誕生を常に歓迎する社会でいいのかという反省はない。そして子供を作ることを無条件で肯定する考え方を前提として物語が成立している。そのあたりがどうしても納得できず、映画を観終わって不可解な気持ちになってしまった。人類はいずれ絶滅すると思っている当方のような人間は社会のパラダイムから外れているのだろう。
ある夫婦の深い愛情をコミカル要素を絶妙に絡めて描き出した作品。感動がじんわりと沸き上がってきます。
松重 豊様
映画初主演おめでとうございます。(貴方のような名立たる演者が初主演とは俄かには信じ難いのですが)
拝見した映画、笑いの要素を絶妙にブレンドしながら、サチさんとの仲睦まじい姿を軽いタッチで演じられているのは流石です。
貴方が演じたヒキタさんに、一回り程若く美しいサチさんが惹かれた理由が良く分かるシーンの数々や、不妊に悩むお二人の夫々の悩み、涙、奮闘される姿もきちんと描かれていますね。
夢想シーンの濱田さんや、貴方の大臣名(ここに書くのは自粛します)にくすりと笑い、義理の父との遣り取りやシビアで悲しいシーンでは憤慨、涙する。観ている側の感情を揺さぶる作品でもありました。
義理の父(伊東四朗さんが本当に義理の父なら怖いなあ)の不器用な娘夫婦に対する愛情の示し方や、知識になかった不妊治療の詳細や実態(特に治療費の高額な事)も医学用語を使いながらも分かり易く描かれ、そしてあのラストシーンの美しさ。
役者としての力量に改めて感服しましたし(他の俳優さんたちも良かったですね。私は特に濱田さん、山中さんという名脇役の安定した演技と矢張り北川さんですね)、得難い疑似体験とともに(途中から貴方に感情移入してしまいました)、じんわりと沸き上がる感動までいただき、感謝です。
上手に作られた映画でした
北川景子めあてで観に行きました(笑)
年が離れた夫婦が子どもを作るだけの話だし、
登場人物も少ないし、映画として成立するのかと心配しましたが
なかなか良くできた作品でした。
夫の戸惑いと気恥ずかしさ、
原因は自分にあるのに、負担は妻のが大きいことの申し訳なさ、
もう松重さん以外の俳優が思いつかないほどのハマリ役でした。
また眉間にシワを寄せて怒っている役が多かった北川さんが
珍しく普通の人の役(笑) 夫を気遣って飄々としているのに
実は深く傷ついている強さと弱さが表現できていました。
物語も緩急を付けながら大きな山場を2つ作る構成が見事。
あと、たまに出てくる濱田岳さんが最高!
この人がいなかったら単調になっていたかもしれないです
良質な作品
テーマが取る人によってデリケートな内容のはずが、終わった後で前向きな気持ちにさせられた。序盤はコメディタッチに後半は幾度も遭遇する困難に夫婦がどう向き合い傷つきそれでも諦めずに問題に向かっていくのか。
これは、諦めた人も諦めなかった人も、結局は縁があって出会った夫婦がお互いの気持ちを大切にしてどう問題に取り組んで乗り越えていくかの方が大事なことだと気づかされる。
出来たから良かった、ではなく、出来なくてもどうするのか、しっかり見つめ直したい。
奇跡の確率向上活動
子供はつくらないと決めていた49歳作家の旦那と若い妻の夫婦が、疋田さんの子供の顔がみてみたい!という嫁の一声で妊活に励んでいく話。
いざ子供をつくろうと取り組むもなかなか思うように行かず、検査してみたら旦那の精子に問題が見つかり、オカルトも含めた更なる妊活に及んで行くストーリー。
あらすじに記された通り、それだけの内容ではあるけれど、明るく楽しく励む姿をそのままの空気感でみせており小笑いも少々。
飲食のシーンの多さとか心の声はちょっと某キャラを意識してるよね!?
シリアスな展開のパートでちょっと弛み気味のところもあったけどテンポも良くて毒もなく愉しかった。
元気に生き抜いてほしい!
私の友人もこの大変な妊活をやって、結局授からなかった。
体外受精した受精卵を子宮に戻しても流産してしまってダメだった。
今は国から40歳まで助成金が出るらしい。
それにしても、この映画でも同じだが、毎日毎日頭の中は妊活の事、より良い体調を保つ為、病院通いも頻回で、何年も何年も頑張る。
そうしてやっと授かった宝物、どうか元気に生き抜いてほしいと願ってやみません。
女性の辛さはもちろんですが、男性の辛さも分かり、笑いもありましたが、涙も出ました。
絶対に面白いので観て!
とにかく面白いから観て!の一言。試写会で観ました。笑いあり、ほっこりする場面もあり、本当に楽しめる映画。テーマはアラフィフ男性の妊活ということで重い内容かと思いきや、全然そんなことない。子供を欲しいと思ってる思ってない、関係ない。エンターテイメントとして素晴らしいので観るべき。
北川景子さんとDaiGoさんの子供も見たい(^^)
すごくリアルですごく心に響く作品でした。
これは、是非男性に観てもらいたい!
映画上映後、周りの男性のお客さんから、「是非男性に観てもらいたい」という声がたくさん聞こえました!
この映画は、タイトルにもあるように、妊娠をテーマにしたもの。
年の離れた夫婦が妊活に挑む、実話を元にした映画です。
疋田さんは、49歳になるおじさん。
対する奥さんは30代前半という、なかなか年が離れています。
50歳手前のおじさんが父親になるというのは、相当大変なようで…。
疋田さんの周りの夫婦は簡単に子供ができるのに、疋田さん夫婦にはなかなか子供が授からない…。
その原因はズバリ加齢…。
悲しい現実に途方に暮れる旦那さんですが、奥さんが積極的に妊活に取り組もうと努力します。
初めは何となく言われた事をやっているだけの2人。
良いと言われた事をどんどんやっているのに、その努力もむなしく結果に結びつかないのが悲しい…。
勉強と違って、いくら頑張ってもその頑張りが報われないのか辛いです。
よく妊活は女性が頑張るものと思われがちですが、今や男性も頑張るのが当然!
妊娠というのは2人の協力があってこそだと色々と教えられました。
これから子供を産もうとしている自分にとっては、かなり身をつまされる内容。
他人事だと思えないからこそ、そのリアルさに結構ショックでした。
でも、その衝撃的な実情が、これからの自身の妊活に生かされれば幸いです(^^)
まずは、ストレス溜めずに、健康的にする事が一番!
そして、何より夫婦2人の仲の良さも重要になってくる(^^)
何年たっても仲良く、共に支えあいながら協力して生きる事が大切だと思いました。
素敵な映画をありがとうございました(*^ω^*)
たくさん笑って、そしてほろっと泣ける愛の物語
完成披露舞台挨拶に参加。不妊治療、漠然とは耳にしてたけどシリアスな響きはなかった。けど、この映画を観てこんなにも苦労する『心願成就』な物語とは。これまでここまでリアリスティックで生々しくこのテーマを描いた物語があったかな?と思うほど現代の新しい切り口を描いた物語。松重豊さんのコミカルな演技と北川景子さんのひたむきさがとてもいい。たくさん笑って、そしてほろっと泣ける愛の物語です。
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