「広告の爽やかさに騙されるな!」ブレス あの波の向こうへ ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
広告の爽やかさに騙されるな!
期待を裏切られた作品となりました。
観る前と観た後で、印象がこんなにも違うとはビックリ!
てっきり、少年2人の甘酸っぱい青春の香りが漂う爽やかな内容だと思ったら…。
予想外なラスト!?
なんだか心がモヤモヤとする、精神が擦り切れそうな感じを味わいました。
前半は、1人のダンディな男に出会った少年が、彼からサーフィンを教わり、心から楽しむ様子が描かれています。
波の巨大さに圧倒されつつも、自然の素晴らしさ、人間のちっぽけさを感じ、少年たちが波にうち砕かれながら成長する姿が、凄く良かった!
気弱そうな少年の表情が、波に乗ることで、徐々に逞しく男らしく成長していく。
大人の階段を登り始める、少年たちの姿に感動したのですが…。
後半からガラリと様変わり⁈
ダンディな男性が突如、友達のルーニーを連れて勝手に世界へ旅立っていく。
置いてけぼりを食らった少年は、裏切られた気持ちと寂しい気持ちで1人クサクサしていたのですが…。
ここから後半へ。
個人的に、この後半の世界がちょっとドラマチック過ぎて、現実にあってはならないこと過ぎて、納得できなかった。
ネタバレになるので、後半のことはあまり書きたくないけど、少年が大人の世界の扉をあけて行ったことは事実。
大人でもなかなか体験しないような、ことが満載過ぎて、よく少年が自殺しなかったなと思いました。
きっとあのダンディな男は、この少年の何処か真面目な部分を見抜いていたのかもしれない。
ルーニーとは違った部分を、何処かで感じたからこそ、一緒に連れ出さなかったのだと思います。
一夏の思い出という意味では、『スタンドバイミー』を想像させるような雰囲気だけど、なんかちょっと違った気が…。
少年が最後に1人海を見つめながら、事の顛末を深く考えている姿が印象的なラスト。
宣伝のパンフレットのような、爽やかさが一切無くなった、虚無感だけが残る寂しいラストとなりました。
私の期待していた青春ムービーを返して…
(*´-`)