「It's a fellowship. 「指輪物語」へ至る道」トールキン 旅のはじまり アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
It's a fellowship. 「指輪物語」へ至る道
今では映画や小説、ゲームやアニメ等の1つのジャンルとして確立されている「ファンタジー」。その元祖と言われる「ホビット」、そして「指輪物語」の作者J・R・R・トールキンの物語です。
ファンタジーは自分が子供の頃からもう既にジャンルとしてあったので、ずっと慣れ親しんできていますし、「ロード・オブ・ザ・リングス」も大好きな映画の1つです。原作「指輪物語」も日本語版は(訳の文章のお陰でかなり読むのがしんどかったですが)最後まで読破しております。
ああいうファンタジー物って白人が作り出した世界観なのに今では不思議と日本が一番量産しているような。ゲーム、アニメ、小説とちょっと増えすぎてるので、きっと全ての作品を把握できてる人はいないでしょう。でも、その数え切れない全てはトールキンから始まったんですよね。と言っても元祖は言語を作ってしまう程なので作品に対するディテールが桁違いですけどね!
映画はトールキンの幼少時代から「ホビット」の執筆直前までを描いていきます。イギリスの田舎を駆け回っていた幼少時代、都会の一流の学校へ進学して仲間を見付けた学生時代、幼馴染みのエディスとの恋、オックスフォード大学での恩師との出合い、そして戦争。その経験一つ一つが物語を創る糧になったんだなぁっと感じました。エディスとオペラの楽屋裏に忍び込んでのキスシーンは素晴らしかった!そして、友人の母親に遺された詞を出版する事を勧めるシーンはジンっときました。
トールキンの人生に陰を落とす第一次世界大戦。何だかんだでホントは戦争なんて行きたくなかったと思うんですが、世の中の空気的に行かざるを得ない。戦争って政治の1つの手段ですけど、参加した人間の人生を間違いなく狂わせてしまいます。やっぱり一般人にとっちゃ良くないですよね(ちなみに「戦争」は手段なので反対は「対話」、「平和」は状態なので反対は「混沌」です)。そんな戦争の経験は「指輪物語」の最後の重いシーンを書く事に繋がってたのかなぁっと想像したり。
尚、一番最初の「ホビット」が刊行されたのが1937年。「指輪物語」の第一作「旅の仲間」の刊行が1954年。1954年って日本でいうと「七人の侍」と同じ年です。何となく物凄く古い文学かと思いきや意外と新しいんですね。そこからこれだけ世界に広がったって改めて考えてもスゴい!ちなみにトールキンの後の友人に「ナルニア国物語」で有名なC.S.ルイスがいたりします。
個人的に好きな作品の原作者の人生の片鱗を観る事ができて、やはり後世まで残る作品を作った人の人生はハードでそれ1つ取っても物語になりますね。また「ロード・オブ・ザ・リングス」を観ようかな?