もみの家のレビュー・感想・評価
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信じられる人とかモノを少しずつふやせばいいんじゃないかな。
不登校になってしまった女の子が
人の生死を体感し、自然豊な土地で
他人と過ごす生活をすることで
人としての体幹を得て成長していく
はなしでした。
人生 20歳過ぎれば誰でも
良くしてくれた人や
意地悪された人がいるもんです。
自分の人生の転機になる出来事や
印象にのこる行動があります。
そういうものを通して
社会の仕組みを理解して
生きる力をつける。
けど
トラブルにあって、
傷ついた者は、
部屋をでられなくなってしまう。
当たり前が、当たり前にならないまま
生きるための経験をする機会が
少ないまま、
体だけが成長してしまう。
本作は、
そういう境遇になってしまった時
心の傷を癒し、
強く生きるためには
どうしたらいいのかという
ひとつの方法を示しているようでした。
人と交流しながら
コミュニケーションが
とれるように自分自身の表現力を磨く。
そんな、
生活の繰り返しが人としての
生きる力になるよという
メッセージがありました。
作中ひとつひとつの
セリフや仕草が、
ひと昔前では、当たり前だったけど
最近私のまわりでは、
なくなってしまった暖かいものが
たくさんでてきます。
田んぼで泥だらけになった
彩花にやさしく声をかけた
ばあちゃん。
新しくきて、不安だった彩花に、
馴染めなかったのは、気の合う奴が
いなかっただけ。
たくさんの人と会って
信じられる人とかモノを少しずつ
ふやしたらいいよという言葉と、
田園の鳥瞰を送った淳平。
地域とのチャンネルを通して
熱中するものを用意した
泰利。
親が子供に命を授ける気持ちを
出産で伝えた恵。
そして、
人生を終え、
心を通わせた者がこの世から
失くなってしまう意味を
伝えた ばあちゃん。
部屋でデジタルな情報では、
知れても、
実際に体感しないと心には響かないこと
ばかり。
彩花が、ばあちゃんに起こった
出来事のあと
家を訪ねて、あることをするんですが
堪りません。せつなくて…
実生活でおばあがいた方は、
きついてすね。
もみの家は、
自分がどうするかを決心したら
卒業なのかな。
私の経験した今までの卒業は、
いつも、誰かが決めたタイミング
でしたが、
自分で決める卒業は、
何からの卒業だろう。
エンディングでは、
癒された彩花の心もちが。
ふさがった傷口は、まるで
無かった事のよう。
明日は笑ってられますように♪
見終わった後、
一歩踏み出す気持ちを
貰えますよ。
おばあ役の佐々木すみ江さんの
最後の出演作だそうです。
笑顔が素敵でした。
おすすめ。
暖かい映画
心の奥底にじんわりと響く素朴な作品
淡々と少女の成長を見守る良作
私は元気です。
高校1年生で不登校となり半年の女子高生が、富山県の田舎町にある自立支援施設で過ごす話。
いじめられていた訳ではないけれど、人の顔色を窺い自分を出せず、地味キャラ扱いとなって居場所を無くした主人公。
…という設定だけど、暗そうな感じはないものの人と打ち解けられないのかその気がないのか、ただの甘ったれにもみえるし、良くわからない状態で30分。
理由を話したときには唐突ながら既に結構喋る様になっていて、何がみせたいのか?と感じてしまった序盤戦だったし、この時点の語りではまだ足りないし。
けれど、そこからはまぁお約束というか、他の入居者と普通に接する様になり、打ち込むものが出来、命を感じという中で、自分を見つめ直して行く展開。
直面しないとみつけられない人振り返れない人はいるもんね。
激しい感情の浮き沈みがなく話は単純、みんないい人、毒は無しというコテコテ成長物語だけど、優しさや温かさを感じてとても面白かった。
思った通りのストーリーだけど
独りで余韻を感じていたくなる秀作
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