「愛の力と勇気をくれた作品*原作未読」鹿の王 ユナと約束の旅 A K.さんの映画レビュー(感想・評価)
愛の力と勇気をくれた作品*原作未読
精霊の守り人、もののけ姫の世界観が好きな人は観て損はない、楽しめる映画だと思います。
あらすじや内容を少し予習して予備知識を入れてからの方がもっと世界観が把握できて堪能できたかも。(パンフレット買ったら良かったかもしれない)
でも予告編の知識だけで私は十分楽しめました。
以下、感想↓
動物や植物と共存しながら自然を重んじる暮らしをしている民族と、一方の国は気球を使ったり、奴隷を使って鉱山で働かせたりと、先進国的な民族。
領地争い、支配欲、戦争。
どちらが悪でどちらが正しいかではなく、それぞれに正義があるんだろう。
武力でなく話し合いで上手く共存していけたら良いのに。
いつの時代もwin-win の関係を築くのは難しい事なんだと痛感。
戦争もちょっとした考え方の違いから起こるんだろうなと感じた。
そんな中、一般市民は争いにまきこまれながらも両国民同士で恋愛し、結婚したりしていて、たくましく平和に暮らしているのに、権力、武力、そして病をつかった戦争《バイオテロ》に巻き込まれ多くの命を失っていく。
・・・理不尽に感じた。
が、現代社会でも自分だけの力ではどうしようもない出来事や、環境に身を置く事があると思う。コロナもしかり。
その場合、自分はどんな風に心を保って、何を支えに生きれば良いのかと考えてしまった。
病の治療法を探る医者、両国の中立的な目線で進む物語にひきこまれる。
この病は両国の何を意味しているのか。。。
主人公が闇落ちしなくて本当に良かった。
主人公が病(山犬)を連れてみんなの前から去るシーンは悲しかった。
せっかく心安らげる場所と娘(子供)や仲間に出会えたのに(涙)
家族を失った主人公の心を照らしてくれた子供。
屈託のない笑顔やしぐさ、それに緑の自然の背景がとても綺麗で癒された。
純粋な愛や絆の力はどんな汚い欲望にも負けない力を持っているんだと勇気をもらい、最後は悲しくも心が温かくなった。