劇場公開日 2019年10月26日

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一粒の麦 荻野吟子の生涯のレビュー・感想・評価

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3.0伝記映画としては良かったと思う。

2021年4月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

当時の女性差別や荻野吟子さんについて知ることができて良かったです。
劇中のセリフで状況を説明してくれることが多く、内容はわかりやすかったです。

私の両親(70代)くらいの方や、小学校高学年〜の女子にオススメかなぁと思いました。

映画の前半はテンポも良く、家族の愛情を感じられるシーンもあればクスッとできるシーンもあり良かったです。

ただ女医になったあとの、信仰や夫との部分が残念な感じでした。吟子ではなく夫の信仰や理念に焦点が行ってしまった感じでした。
荻野吟子さんを描くのに、信仰と夫との関係は重要だったのかもしれませんが、途中から布教のための映画なのかと思いました。

個人的には、女医になるまでの人生や女医ならではの想い、女医になるために応援してくれた人々のことをもっと深く描いて欲しかったので、星をマイナスしました。

若村さんの演技は素晴らしかったです。でも低予算のためか子役の演技が学芸会レベルで、かわいいのですが、若村さんと一緒に演技していると差が激しくて、ちょっと可哀想でした(もうちょっと演技指導してあげれば良かったのに)。

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まめ太

5.0女医第一号女性の波乱に満ちた生涯

2020年1月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

本作の山田火砂子監督は、現時点で日本最高齢の女性映画監督である。

監督の作品を初めて見たのは、松平健が石井十次役を主演の「石井のお父さん」からだ。
一人の生涯を2時間にまとめる技量に感銘を受けました。
常盤貴子主演の「筆子その愛」や寺島しのぶ主演の「母 小林多喜二の母の物語」も素晴らしい作品であった。

ご高齢であるためか、監督の新作は数年に一度あるかないかだ。
今回の「一粒の麦 荻野吟子の生涯」も楽しみにしていた。
男尊女卑と闘い、隣人愛に生涯を捧げた吟子の生涯を、主演の若村麻由美さんが巧みに演じられていた。
劇中に流れるジャズ調の音楽も物語によく合っていた。
あっと言う間の2時間であった。

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スーパーサック

3.0偉大な女性の自伝的映画

2019年11月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

新宿KScinémaで鑑賞したが、冒頭開始5分で突然に上映中断。音声と映像がズレたので再起動するので10分後に再開、長い間の映画人生でもこんなの初めてです。とても貴重な体験を楽しみました。若い時だと映画が台無しだとブチ切れたかも(^^)
作品は明治の男尊女卑の時代における日本最初の女性医師の誕生のお話です。女性の地位向上、男女平等、キリスト教、貧困と人身売買、北海道開拓民等々の多くのテーマを取り上げており、それぞれが消化不良の感はありますが荻野吟子さんという素晴らしい女性の伝記映画を見られて良かったです

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tomクルー

3.0女医1号誕生のご苦労はよくわかったけど

2019年10月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

女性◯◯1号誕生の裏には、いろんな障害、ご苦労があったとは思うが、女医の場合については今回初めて知った。どの道でも、こういった無謀とも言える信念の一人が切り開いてきているんだろうな。
とはいえ、本作はエピソードが多く感動している暇がないくらい。それほど波瀾万丈な人生を歩んだということなんだろうから、荻野吟子さんの人生に拍手ってところかな!

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こばりん

3.02時間で生涯を描くという無謀

2019年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1本の映画で、偉人の生涯をなぞるという“無謀”が出てしまった残念作だった。
ロマンチックな誇張を排する、実直な描き方は好印象だが、あるテーマを持って掘り下げたドラマとは言えない。
例えば先日観た映画「二宮金次郎」では、時期が限定されていたので、テーマが絞られた、まとまりのある作品になっていた。

山田監督は、舞台挨拶で「(高踏的な)“芸術”なんて要らない」と語っていたが、分かりやすい作品であることは間違いない。
性感染症にかかって、男子医学生が見つめる中で、衣服を脱がざるをえないシーンなどは、短いが見ごたえがあった。
しかし全体的に、一つのシーンと次のシーンとの連続性が乏しく、また、ベテラン俳優で固めたわりには、ぎこちない印象が拭えない。

それらの理由は、あまりに展開が早いためだろう。
主人公の医師としての仕事の姿や、信仰に至るまでの心の動き、若き夫との恋愛、そしてそもそも、子供が産めなくなった若き頃の苦悩さえ、満足に描かれることはなかった。
文献資料の大幅な不足は想像できる。しかし、“誇張”は不要だが、作り手の人物解釈に基づく“創作”こそが、伝記映画の醍醐味だし、腕の見せ所のはず。

舞台挨拶では、作品に対する思いが伝わってきて感動的であった。(ついでに言えば、女優とは何と美しいものかと改めて驚いた。)
ただ、“偉人伝”として、全生涯を描きたかったのは理解できるが、たった2時間では不可能であり、やはり何らかの切り口が必要だったと思う。

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Imperator