「リアルタイムで観ていた方には感涙モノ。観ていなくても楽しめる作品です。」魔女見習いをさがして 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
リアルタイムで観ていた方には感涙モノ。観ていなくても楽しめる作品です。
「おジャ魔女どれみ」と言うアニメ作品自体は知ってはいますが、殆ど見た事はないので、なんとなくのストーリーしか知りませんがシリーズ20周年記念作品として、当時リアルタイムで見ていた方に向けての作品と言う事で、絵柄や設定がなんとなく面白そうと思い、観賞しました。
で、感想はと言うと、良いですね。
個人的にはアニメ作品の映画は劇場で観賞しようと言う意欲があんまり沸かないんですが、これは殆ど作品詳細を知らなくても楽しめました♪
「おジャ魔女どれみ」がテレビアニメとして放送され、そのおジャ魔女どれみが大好きだった女性3人の物語で、詳細を知らなくても普通に楽しめたので、おジャ魔女どれみが好きな方で当時リアルタイムに見ていた人は感涙モノではないでしょうか?
実際に場内は若い女性の方が多くて、結構涙腺がホロリした方も多かったみたいです。
オープニングからいろんな演出があって、影でどれみ達がほうきに乗って飛んでる絵が良い。ワクワク感を演出してます。
また主題歌がアレンジバージョンではありますが、優しい旋律が良くてオープニングからグッと来て、ちょっと泣けそうになったw
掴み方が上手いです。
ストーリーはおジャ魔女どれみが好きでたまたま知り合った女性3人がおジャ魔女の聖地を巡る旅行をメインにしてますが、ストーリーにそんなとっ散らかりもない。
細かな部分では多少のご都合があってもそんなに気にならない。
奈良・京都を巡る旅先で出会った大宮とソラが付き合わなかったのは意外と言えば意外。作品の流れとすると友達からの付き合いが始まってもおかしくないのに。
らしくないと言えばらしくないですが、過去にSNSで炎上させ、勝手にSNSに写真をアップしている性格は昨今のコミュニケーション問題らしいと言えますし、そこから人格否定問題までを入れてる意図に沿ったまとめ方はリアルと言えばリアルですが、"まぁ良いじゃん"的にまとめなかったので個人的には良いのでないかと。まぁらしくはないですけどね。
でも、切っ掛けになったとは言え、おんぷちゃんのキーホルダーはちょっとイタい感じがしますねw
小さい頃に離ればなれになった父親を訪ねるが今の家庭を壊さない様にと再会を拒まれるとか、人付き合いご苦手でSNSでも過去に炎上させてる経緯があるとか、発達障害の生徒とか、今の社会で抱える問題を取り組り入れてるのが大人向けな作品の意図を感じます。
そもそも低年齢の女の子向けの作品ではありますが、それをリアルタイムで見てた子供達が今の20代以上なのは長期シリーズ作品を産み出している産物。
同じ様な事が「セーラームーン」や「プリキュア」で言えるのでしょうが、出来ればこの手の記念的作品の連発はしてほしくはないなぁと言う気持ちです。
あと東映の作品なんですが、都内の東映の旗艦店的劇場の「丸の内TOEI」で上映されてないのがちょっと気になります。
メインの声優を努めている3人も普通に上手い。
百田夏菜子さんは時折過剰に聞こえる部分もありますが、個性があって良いのではないかと。
逆に普通に上手いだけでなく、ちゃんと起用された意図の爪痕を残していると思います。
ラストのどれみ達5人が登場するパステルカラーの淡い感じが良いですね。
個人的にはラストはどれみ達を盛り込み過ぎな感じで、ソラ達の世界とどれみ達との世界観の境が曖昧になってる感じ。
演出面では作品の気質がそのままなのですが、大人向けとしたのであれば、もう少し抑えても良かったかな?と思ったり、昨今のアニメの聖地巡りを割りと入れ込んでいるのが、少しあざとさを感じますが如何でしょうか?
子供の頃は何にでもなれる魔法を持っていて、それが大人になるにつれて、いろんな事を知り、その魔法がだんだん消えていく様な感覚。すんごく分かります。
だからこそ、大人向けの作品であるんだろうし、おジャ魔女どれみを子供の頃に体感した方ならもっとおジャ魔女を好きになれるんでしょうね。
男性でおジャ魔女どれみに縁がある人はそんなに多くないと思いますが、それでも観てみる価値はあるかと思います。
良い作品でした♪