「タイトルなし」ロケットマン ゆっこさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
ひたすらに描かれる孤独に胸が痛かった
ボヘミアンラプソディのフレディも孤独の物語だったけど、エルトンは歌作りとか以上に個人の孤独にフォーカスしてた
両親の自分のことしか考えてない感じは本当にひどかったな
"普通は愛されるべき相手"に愛されないっていうのは、自分の価値を見失ってしまう
地位と名誉と金を手に入れファンに愛されても、親友が自分を気にかけてくれてても、自分の思い描く愛でなければ満たされないし孤独感は消えない
(親友が結局恋人を作ってしまったあの初めの傷は、自分の本当の気持ちを受け入れてくれなかった孤独につながる)
裏切られるほど寂しくなって、知られたくなくて道化になって、ギャップが生まれるほどまた"誰も本当の自分を知らない"と孤独が増して、でも本当の自分はどんどんダメになってくから隠すのをやめられなくて、それにたまらなくなって寂しいと喚き散らせばまた人が離れていき…
でも飢えに飢えてる時って周りに愛されるにはどうしたらいいかとか周りを思いやるとかそんな余裕ないんだよな
そこで誰か一人でも繋ぎとめてくれたら…
親友が残ってくれたの本当によかった
最後の結論が、被ってた仮面をはいで素直になること、誰かのせいにしてもいいこと、自分で自分をハグしてあげる(愛する)ことなのがすごくよかったな…
自分を信じられないと、どんな評価も他人事みたいで、自分を好きになれないと、どんなに他人に好きって言われても心に届かないし、なりふりかまわず渇き続けちゃうもんな
演出がエルトンにならってとびきりエンタメ感あってかわいくてワクワクしたけど、後半はそのハッピーな演出と彼の気持ちとのギャップがすごくてより孤独感が際立って辛かった…
ロケットマンのタイトルの意味がわかった時もすごかった…泣いた…
ほんと宇宙の中に一人みたいな感じだよな…きっと
あとYour Songに曲つける時、なんだか親友からエルトンへのラブソングみたいで、それにあんな最高な曲つけてくれるなんて愛のやりとりじゃんって思えてまた泣けた…
最後親友が初めの頃みたいに「曲つけてくれよ」って頼んだ歌の歌詞がエルトンが立ち上がるための歌なのも最高によかった