「He wants LOVE.」ロケットマン しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
He wants LOVE.
"爆音映画祭 in MOVIXあまがさき Vol.3" で鑑賞(字幕)。
正直、エルトン・ジョンのことは全然知りません。
唯一耳にしたことがある曲が「ユア・ソング」だったと云うことを、本作を観て初めて知ったぐらいなもので…
「ボヘミアン・ラプソディ」を降板したブライアン・シンガー監督に代わって完成させたデクスター・フレッチャー監督が再び挑んだ音楽伝記映画ですが、監督は今後このような音楽伝記映画シリーズを展開するのでしょうか?(フレディ・マーキュリー役でラミ・マレックを出す案もあったとか…。実現していたらユニバース的で面白かったのに…。残念!)
エルトン・ジョン本人が製作に関わっていることから、大分脚色されているのかと思いきや、栄光も裏側もダイレクトに描写されていて驚きました。彼とジョン・リードの濃厚なラブシーンまで…。ドキドキしちゃいました(笑)。
「ボヘミアン・ラプソディ」と違い、ミュージカルの要素を取り入れて、エルトンの心情を彼の楽曲に乗せて表現していると云う点が特筆すべきところではないでしょうか?
彼の心象風景と云うか、内面がつまびらかにされ、愛を求めてもがき苦しんだ15年間が心に迫って来ました。
スターの伝記映画に必ずと言って良いほど登場する酒とドラッグ、セックスにまみれた、悲しみと苦悩の壮絶な日々…
幼い頃より親から愛を得られず、愛をくれたかに見えたパートナーはとんだクソ野郎で…。苦しみが増すごとに派手になっていくステージ衣装に胸が痛くなりました。
やがて身近にあった大切なものに気づき、本来の自分を取り戻していく姿は、やはりどんな形であっても共感してしまうなと改めて思いました。スターだって、人間だもの…。人間味がある方がいい曲をつくれるのかもしれませんなぁ…
※修正(2022/08/15)