「期待値0でスルー予定でした・・」ロケットマン 蛇足軒瞬平太さんの映画レビュー(感想・評価)
期待値0でスルー予定でした・・
期待値ゼロでスルー予定でした。
理由はミュージシャンの伝記映画は当たりと外れの差が大きい。
外れ作品は、
だいたい、
こんな奇行癖がありました、
ドラッグやり過ぎでした、
酒にも溺れました。
でも天才でした。
RIP。
そういうのが多く、
本作もそんな匂いがしてました。
少し違いました。
奇行の理由をちゃんと掘り下げてました。
周りとの葛藤、
禁酒の実行のような具体的な苦労話もやってました。
(ちょっと脱線しますが、
上記はシナリオとしては良い事ですが、
ミュージシャンにとってはカッコ悪い事かもしれません。
主人公が故人の場合はカッコ悪いエピソードは避けられがちです。
ボヘの場合、ブライアン・メイは演出に関してもフレディの葛藤の扱いに関してフレディに忖度をしたのかもしれません。
ボヘミアンラプソディーが感動した人が多いものの、映画としてのできは、、、という評価が少なからずあるのはそういう理由かもしれません。)
そしてラストはあの曲。
ラストはあの曲だろうと観る前から予想はしていましたが、懐かしのPVをそのまま再現していたのには、驚きました。
現実的な葛藤を経て生死を彷徨い、
同じ27歳、同じ1970年に、向こう側に行ったそれぞれの映画『ローズ』『JIMI』『ドアーズ』を思い出し、
また、
それを抽象的に音楽と共に上手に吹き飛ばす手法はボブ・フォッセーの『キャバレー』や『オール・ザット・ジャズ』を思い出しました。
当たりのミュージシャン映画でした。
実際の舞台衣装が本物とは微妙にアレンジされていたのは、エルトン本人のアイデア、現在の好みが入っているのでしょうか?
三島由紀夫も1970年、ジム・モリソンは1971年でした?