「アルぺジオが流れただけなのに」ロケットマン masamiさんの映画レビュー(感想・評価)
アルぺジオが流れただけなのに
アルペジオ、分散和音とも言う。例えば
Cコードの構成音、ドミソを一音づつ弾く技法。ピアノ、ギターで伴奏に使われる事が多い。
5年程前の事である。サイモン&ガーファンクルのコンサートに行った。場所は武道館。
最後の曲は「明日にかける橋」
特徴のあるピアノが静かに始まり、徐々に
盛り上がり、圧倒的に終わる。
私は号泣した。帰り際、外国人の方が目を
真っ赤にしていた。外国の人にも伝わるんだなあ、と思った。待てよ?私が外国人だった!
極東の島国の住人だった。
ピアノのアルペジオで始まる名曲「Your Song 」
私はイントロが流れただけで涙が頬を伝ってしまう。
この歌が誕生する瞬間が本作では描かれる。
それはエルトン・ジョンとジェイミー・ベルの
魂が交差した瞬間。世界的な歌手になる瞬間。
主役を演じた、タロン・エガートンは素晴らしい。全身全霊でエルトンに成りきっている、
憑依していると言っても良い。どれだけピアノを練習したのだろう。頭が下がる。
全てを超越している。いわば・・・
ウルトラマンタロン!(すみません)
実は後から気づいたのだがジェイミー・ベルは
「リトル・ダンサー」の少年だった!
よくぞ美しく育った!
日本で言うと中川大志くんか?
二人の関係も素敵だ。
作詞家と作曲家兼歌手。
日本でいうと加山雄三と岩谷時子か?
少し違う気もするが・・・
他に思いつかん!
好きなシーンはアメリカのクラブでトイレに
こもるところ。
「ニール・ヤング、ボブ・ディラン、ビーチボーイズ、 音楽の天才たちの前で、歌えるか!」
おもわず爆笑した。わかる!
平気でいられるのは近藤真彦だけだ。
美空ひばりに初めてあった時の一言が凄い。
「おばさん、歌うまいね」
ジャニーさんは真っ青になって、すぐ駆けつけて謝罪した。
それゃそうだ。
閑話休題、楽しかった!ついつい体がリズムを
とってしまった。
前半のフラッシュ・モブのシーンも良かった。
エルトンの衣装の色、オレンジ色を立たせる為
周りの配色を抑えている。
私も踊りたい!踊れないけど・・・
また観に行きたい!