「なりたい自分になる」ロケットマン 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
なりたい自分になる
最近、名を成した大物ミュージシャンの伝記的映画がいくつも上映され、その誰もが、薬物中毒か、アルコール依存症か、セックス依存症か、同性愛者ゆえの葛藤に苦しんだか、そしてその才能を食い物にされたか、の人生を過ごしていた。なかにはそのすべてを経験してたりもする。派手な活躍の裏の、彼らは苦悩ばかり。この映画のエルトンも、またしかりだった。だから、唯一無二の彼らでさえ、「元の自分を消して、なりたい自分になる」ことがいかに困難で苦痛を伴うのか、まざまざと見せつけられる。それがわかるからこそ、your songを即興で歌いだすエルトンに涙するのだ。当時、ど派手な衣装を着た彼を色物視したり、オフザケ程度にしか思っていなかった自分に、本当のエルトンを教えてあげたい気分になる。
「キングスマン」とは違った魅力のタロン・エガートンも素晴らしかった。
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