「シンプルな愛こそ真実の愛でもある」ロケットマン KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
シンプルな愛こそ真実の愛でもある
アラサーの自分にとってはエルトンジョンは正直そこまで知らない世代である。your songとライオンキングの愛を感じてなどは知っていて好きな程度。洋楽もさほど興味はない。
ただ成功者の伝記物は好きでこの度観賞。
エルトンジョンを知らない者でもまぁ楽しめる作品ではあると思った。
今まで触れる事のなかった名曲に触れるだけでも観る価値はある。音楽は時代が変われどやはり名曲はいつ聴いてもいいのだろう。
内容はすごく深いわけではないように思えた。一通りエルトンの生い立ちをミュージカル風に描いていた。
彼は色んな依存症と戦い苦しんだが、一番苦しかったのは本当の愛を中々知ることがなかった事であろう。
本来当たり前のように授かる両親からの愛さえ受けることができなかったことから、愛への執着が人よりも強く、また捻じ曲がった愛を求めてしまったのであろう。
この映画を通して改めても感じたのは愛って恋だけじゃないんだよね。
エルトンの場合、同性愛者であり、時代がまだ理解に追いついてない時代に生きていたからこそ可能性ある愛に固執してしまっていたが
バーニーとの愛だって同じくらい大切だったのであろう。
これは同性愛者でない者にとっても通じることではないか。
また人から愛されることを望む前にまずは自分の事をだれよりも愛していないと周りからの本当の愛も中々生まれないのではないか。
作中でも終盤にシンプルな愛に気づいたというシーンがあった。
どんなに成功者のエルトンですら一般人が苦しむ事にぶつかる姿に、改めて人間の弱さも感じる事ができた。
人間誰しも弱く、そしてそれを乗り越える事で可能性を掴むことができる。そんなメッセージを貰うことができた。