「楽曲の良さを生かせてない映画」ロケットマン jazzmanさんの映画レビュー(感想・評価)
楽曲の良さを生かせてない映画
◯良い所
《主演俳優の歌声が素晴らしい》
エルトンを演じたタロン・エガートンは素晴らしいと思う。
全ての曲を役者の彼自身が歌っていて、声質もそっくりでよくここまで近づけたと思う。
◯悪い所
《何が軸の映画かわかりづらい》
彼の生い立ちは複雑で、両親の愛を受けられずに育ったこと、その孤独感を前面に家族愛をテーマにしたいのか。
曲作りのパートナーだった作詞家のバーニーは、彼の人生における1番の理解者だったので、彼とのストーリーを前面に出すのか。
どちらも中途半端で見終わった後に何がメインテーマなのか、何を伝えたいのかがわからなかった。
《楽曲の良さを台無しにしてる無駄な演出》
映画の作りが特殊な撮影が多く使われてたり、ミュージカル調の唐突な歌の入り方だったり、ゲイ事情の演出が多過ぎて変に生々しかったりで、いろいろ気になって後ろで流れているせっかくの名曲が全然入ってこない。
ここに関しては、ボヘミアンラプソディーは楽曲の良さを最大限に生かすためにストーリーはシンプルに、変に凝った演出はし過ぎずとても良かったと思う。
《全てを詰め込み過ぎ》
映画全編を通し、全てのことを詰め込み過ぎて、どこが1番のハイライトで見せ場なのかがわからなかった。
ドキュメンタリーではなく映画なので、多少の脚色・演出はいいと思うし、もう少し引き算をして何を1番見せたいのかはっきりした方が良かったと思う。
《当の本人は果たしてこの内容で良かったのか。。》
映画を作る際にエルトンも監修していると思うけど、なぜこの内容でOKしたんだろう。
フレディは共感できる部分があり、イメージのプラスになっているけど、エルトンの場合はより特殊な人格で、彼にとってあまりプラスのイメージにならないような気がする。
《ジョン・リードは本当にあんな気持ち悪かったの?》
ボヘミアンラプソディーに出てくるマネージャーのジョン・リードは、ポールの罠に引っかかり、ビジネスに走り過ぎたのもあってフレディにクビにされてしまうが、わりとまともな人物な印象。
ところがこの映画に出てくるジョン・リードはゲイ全開でとにかく気持ちが悪い。
そしてエルトンを利用し、エルトンを金としか思ってないクズマネージャー。
本当にこんな人物だったんだろうか。。