「政治のダークサイド」ブレグジット EU離脱 REXさんの映画レビュー(感想・評価)
政治のダークサイド
クリックして本文を読む
「イギリスを、国民の手に取り戻そう!」とボリス・ジョンソン氏は有権者に呼びかけた。
結果は、僅差ではあったものの、離脱派が勝利。
この有名なキャッチコピーを生み出したのが、主役のドミニク・カミングスという男。
映画はこのカミングスを、ボリスを裏で導いたブレーンとして描く。
いわゆる陰謀論というのは誇大妄想のフェイクとレッテルを貼られ無視されがちだが、言葉通り「隠された謀(はかりごと)」なので、嘘でも何でもない。私たちは予め計画された出来事を知らされていないだけなのだ。色もファッションも本も映画も、業界が流行らせる方向性を決めており、その通りに商品を流通させる。政治もしかりで、自ずとプランがある。
ボリス陣営はキャンペーン時に「イギリスはEUに毎週3億5000万ポンド(約470億円)を支払っている」と主張し、離脱派のキャンペーンバスの車体にもこの金額を掲げた。しかしこれは誇張された金額だった。
また、SNSなどのデータを使って、投票しない層の表を取り込むため、高度なアルゴリズムを使い、個人に向けて効果的な別々の宣伝をうつ。怖いのはこのシステムを持ちかけたのはアメリカの若い起業家であり、さらにその裏にはあの巨大財閥資本が絡んでたということだ。
しれっと最後にテロップで流れていたが、その一行で、それまでの全てが茶番に思えた瞬間だった。ドミニクは知ってか知らずなのか。いや、全ては仕組まれていたと言えことなのだろう。
この一文を人に見せるためだけに、本編は費やされたと言っていいと思う。
コメントする