空の青さを知る人よのレビュー・感想・評価
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青春の忘れ物を取り戻す姉妹と彼氏の物語
あの花、ここさけ、空の青さを。
秩父3部作の中で一番の名作だと思いました。
悲しいのではなく、ジンワリ涙が滲む感じの心を揺さぶる作品です。
夢を追いかけ町から出て行くことを選んだ高校卒業の頃の自分が、大人になった自分を見たらどう思うのか。
高校生で両親を失い、幼い妹を育てるために地元に残ることを選んだ姉。
姉を慕い、そして姉と並んで笑顔でいる年上の男性に密かな想いを抱く少女。
夢を叶え、でも望んだ未来とは違う諦めた自分に苛立ちを感じている男。
四人(三人)と、そして脇役のツグ(小学生)がいいキャラです笑
ツグ、達観し過ぎててカッコよすぎる。
あとちょいちょい笑えます。
個人的には今年ここまでで一番の作品だと思います。
あおいの心の叫びがきゅんと来る
最初、いきなりガンダーラの歌でのけぞり、そこから
超平和バスターズワールドが展開される。
高校生のあおいのしんのへの思いから
複雑な心情を描かれるさまはまさに若いからこそ
のもの!あおい、片思いはつらいよね・・・
超平和バスターズ作品はヒロインは切ない恋で終わってる
片思いの彼の恋人はロングヘアーで
失恋する女の子はボブだなあ・・・なんて
どーでもいいこと考えて・・・
空飛ぶシーンも「千と千尋・・・」そして「天気の子」そして
今回の「空の青さ・・・」なんてどうも余計なことが浮かんでしまって
いかん いかん!!
登場する人物の思いが共感できて、寄り添えて
終わった後は爽やかな気分になる作品だ
私は吉沢亮が好きなのだが
彼がしんのの声を演じていることをすっかり忘れていて
エンドロールを観てびっくり!吉沢くん上手!!と
心の中で拍手していた
そしてあのあおいのラストシーンの演出は
にくいねえ、このシーンが一番心に残った
ストーリーが物足りない
パンツ見えてるよ。
お前の視点から映像にしてくれ
キャラデザは本当に100点満点、曲も良い、なのにストーリーが途中から面白くない。
慎之介は本当に駄目な奴になってて最後まで個人的には認められなかった男です。
どんなに苦しんだかは知らないが、だからって
『あおいちゃん』にあそこまで冷たくなれるものだろうか?しかも好きな人の妹で更に言えば、けして『下手ではない』。確かにプロからしたら、まだまだ荒削りなどあるのだろうけど。
自分が目指していた未来ではなかった事で自暴自棄になって駄目な人間になっているのを自覚して八つ当たり気味な面が多い。
『あおいちゃん』に謝るなり色々あると思うのに映画上で全くありません。『あかねちゃん』への扱いにも正直ひどいとしか思えなかった。
土砂崩れなら真っ先に思う人の為なら動くはずなのに、落ち着いて周りに任せて他人事のようにして、それが好きな人って言えるのだろうか?
あかねちゃんが土砂崩れに巻き込まれたかも知れないという時に、『しんの』が空を無駄に飛び回って時間をかけて未来の自分の事を語るのも、おかしい。
たった一人の家族で、両親を失っている少女にしたら絶望の中、一刻を争う時間に飛び回って人の事を考える余裕なんてないと思いました。
まずは姉を助けてからで、今の慎之介に言えないような話もお姉さんにも聞いてもらってもいいと思いました。
大事な部分はエンドの写真の数々で投げているのが残念すぎます。時間が足りないのもわかりますが、大事な部分は必要です。
音楽祭も写真で残念です。
音楽の映画で音楽が舞台で音楽が中心の話なのに
音楽が苦しんでます。
『しんの』は楽器に触れないし。これといったアドバイスもない。
最初は荒削りを色々アドバイスされて上手くなっていく中で慎之介に自分に似ている部分を見い出だしあおいちゃんを認めていくような安易な妄想してました。あおいちゃんもその中で『しんの』を好きになっていくのかな?って。
お姉さんと『しんの』が練習場所で会って会話して欲しかったな~って思いました。
お姉さんの生き方に泣けました。
これを読む人がいるとは思わないけど、もし読んだら『こんぶ』のおにぎりをお勧めします。
小さな世界の壮大なファンタジー
長井龍雪監督作品はこれが初めてですが
評判等は聞いていたので観てみることに
まず世界観
秩父が舞台ですが、山に囲まれた盆地
そこに住む素朴な人々
それによってそこから出たい人、帰ってきたい人
の描写とうまく絡んでいたと思います
そしてキャラクター
構築がすごくしっかりしており観ている誰もが誰かに
すぐ移入できると思いますし、要所要所でキャラが勝手に動いて
話の展開をそう易々読めなくするスパイスにもなっています
その場にいる精一杯生きてる人たちは
誰も間違っていなく、素直に言葉に出てこないだけで
根は変わっていないのが徐々にハッキリしてくるシナリオ
は感服しました
上京、タイムリープ、青春群像
こういう普遍的というかありがちなストーリーで
ここまで魅せられる作り手の方々の技量は
拍手しかないです
しいて言えば・・
主題歌あいみょんって感じではない作品な気がします
せっかく音楽が絡んでいるんだからもっとあおいに
歌わせる主題歌とかでもどうだったでしょう
あと落合福嗣さんの演技
もう言葉ないです完全にプロです
さらなるご活躍期待します
楽器が語る真意
あの花スタッフが贈る、秩父青春ストーリー第3弾!幼くして両親を失った姉妹と、それを取り巻く幼なじみの男達との恋模様を描いた物語。互いに互いを思いながらその思いがすれ違う、不器用な優しさが観る人の胸をキュンとさせます。
冒頭からバンドのシーンがあり、物語の核が楽器にあることが暗示されます。姉のあかねの恋人しんの(慎之介)が弾くのはGibsonFireBird。ギブソンと言えばレスポールかSGを連想するのですが、ここでマイナーなファイアーバードを選んだ長井監督に拘りを感じます。
そしてそんなしんのに憧れてベースを始めたあおいが、高校生になって弾いているのがEpiphoneThunderBird。サンダーバードはファイアーバードのベース版で、このことからもあおいのしんのに対する気持ちが感じられるのですが、ギブソンじゃなくエピフォンにしているのがGOOD!本家ギブソンは値段が高くて高校生では手が出ません。でも子会社のエピフォンの廉価版なら何とかギリギリお小遣いを貯めれば買える値段(6~7万円程度)。両親の死で進学を諦め、高校を卒業して直ぐに就職した姉のあかねに遠慮して、それでも精一杯背伸びして買った事が想像されるのです。他のアニメでは高校生にいきなりGibsonレスポールやESPクライングスターとか30万円近い楽器を持たせますが、それと比べてなんとリアリティのあることか!
しかし、13年ぶりに演歌歌手のバックバンドメンバーとして帰ってきた慎之介が持ってきたのは同じGibsonのES-335。セミ・アコースティック構造のためロックのような激しい演奏に向かず、ジャズやフージョン、歌謡曲の伴奏向けのギターで、現在は演歌の伴奏をしている慎之介を象徴しているのです。
しかし、そのES-335にもちゃんと意味がありました。公民館の裏であかねに弾き語りを見せるシーン、あれはファイアーバードのようなソリッドギターには出来ません。セミアコだからアンプ無しで生音が出るのです。ES-335の優しい音色に心を癒やされるあかね。ここまで計算している長井監督は凄い!
そして、13年前の姿で練習場に現れたしんの。彼を象徴しているのが密閉されていたファイアーバード。生き霊だの過去から未来に飛んできただの言っていますが、その正体はあかねに振られてそれでも東京に出て行ったしんのが、そのギターに残した未練・あかねに対する想いだったんじゃないかと。だから、あかねの危機にその封印が解かれて外に出ることが出来たのだと思います。
この映画、本当に感動し満足しましたが、一つだけ不満だったのが、最後までしんのとあおいがセッション出来なかったことです。あおいはしんのの「お前は未来のうちのベーシストだ」の言葉を胸に、ベースを弾いてきたのだから、しんのが消える前に一度くらい一緒に演奏させてやりたかった。例えば演歌の先生が他のメンバーと一緒に鹿肉にあたって、急遽しんのとあおい、ミチンコでステージに立つみたいな演出があっても良かったのでは?と思いました。そんな不満の分だけ-0.5とします。
でも、今年観た映画の中では出色の逸品です。まだ観ていない人は是非お勧めします。その際、ギターの事を気に掛けて観ると、新たな感動が生まれますよ!
追記:当初、クライマックスでしんのとあおいが空を飛ぶシーンを、「この作品でも空飛ぶのかよ!」と、食傷気味に捉えていたのですが、ふと思い返すとしんののギターはファイアーバードと言うことを思い出しました。それって火の鳥やん!そりゃ復活したら空飛びますわな!あ~、これで全部繋がった!!ここまで計算していたなら長井監督は天才だ!(*^-^*)
レビュー高すぎて、、、
映画.comの、レビューが信じられなくなるくらい酷かったです。
このレビュー件数で星が4つなのに、あんな酷いお話、、、みんなちゃんと映画を見てレビュー書いてるのかなって疑問に思います。
まず、音楽フェスの様子をエンドロールの写真で見せるということがありえません。観客を舐めてるんですか。
あれだけ練習シーンを見せておいて聞かせないって、、
いろんな葛藤を乗り越えて、ラストにあおいがどんな演奏をするのか見たくないですか?
それと、あかねが土砂崩れに巻き込まれ、しんのとあおいで助けに行く場面。あいみょんの音楽がかかりまるで天気の子のラストように上空を舞いながら2人でベラベラとどうでもいい話をしますが、まずあかねを先に助けに行けよ!!しんのが急に超人的なパワーを発揮したり、正直アホらしくてこれ以降、真面目に観るのやめました。
他にも、急に実写のような実景インサートを挟むことによってアニメの世界観がぶち壊しだし、悪い所しか目につきませんでした、、、
唯一良かったのは、吉沢亮かな。
タイトルなし
全体的には良かった、けど、う〜んという感じ。
音が良かったので映画館で観るのには適しているのかな。
好きになってはいけない人を好きになってしまったあおいと、様々な事を考えて大好きな人と別れる選択をしたあかねに、感情移入することができた。特にあかねは周りの人に良く尽くす性格で、時には好きな人の幸せのために自分を押し殺しさえしているシーンに胸が苦しくなった。
普通に良かったし、映画に引き込まれていたけれど、ラストのあおいとしんのが空を飛ぶシーンは「千と千尋の神隠し」と「天気の子」がよぎり…。
あの演出は流行ってるのかな?どうしても二番煎じ感が否めなくて我に帰ってしまった…。残念。
あの日の自分
あの花もここさけもヒロインがとてもめんどくさいキャラで、多分今回もだよねって思ってたらビンゴ
でも嫌いじゃない←
話は複雑そうで割とシンプル
山で囲まれた盆地から出たい
ガンダーラ目指すよって言う、此処らへんは「惡の華」にもあった"まだ見ぬ向こう側の世界"を夢想する思春期のもやもや
青春劇としてはやはり同世代との絡みが少ない
これはクローズドの世界観では仕方ないし作劇上の問題もあると思うけど、実際に他人との接触を極力避けて生きてたらそんなもんだし、初恋をする年齢としてはどうしても人間関係的に世界が狭くなるのは仕方ない、となれば結果そこにリアルを感じる
あかねがあおいにそれとなしに打ち明けた恋話の"色々あったんだよ"も、あの狭い世間でまったくバレずに色恋が出来るとは考え難い…
というかそういう事を差し挟む余地がない
少なくともあおいがあの土地(世界)を旅立つまでは精神的な時間が止まっている
結果的に時間を動かしていくのは、外の世界に出て成功を掴んだ筈の慎之介の帰郷(凱旋?)であり、思春期の分岐点で置き去りにした高校生の自分"しんの"である
しんのに対するあおいの恋心がやや突発的な感じがしたものの、話の流れは滞りもなく安心して見れたし会話のセリフの組み立て方、やりとりがうまい
さすがの脚本
あかねに対する積年の恋心も伝わってはきたけど普通は他に好きな女性できるだろー?のつっこみは野暮かもね
少なくとも慎之介の方は諦念に行き着いた31歳の帰郷であり、ギタリストとして自分が望む形での成功をしていたらあかねの事を思い出せてたか?という疑念はわく
あかねの声はややぎこちない感じもしたが、慎之介としんのの二役を演じた吉沢亮は完璧な演技で、一人二役を感じさせませんでした
結界?とギターの弦が切れて しんのが部屋から出れていきなり空を飛ぶシーンは荒唐無稽ではなく、はっとする感動を受けた
そりゃここで空飛ぶよな
全部もってかれた
天気の子でも空飛んだけどそれの比じゃない
空飛んだとこでクライマックス
ジブリかよ!って思った
やはり日本のアニメは空飛んでほしいね
(*^ω^*)
感動ゴリ押し激サム映画
はっきりいうと感動ゴリ押しの大作邦画(例:ルーキーズ)と作品のテイストは大して変わりません。
問題点を下記に列挙しました。
①盛り上げシーンで感動できない
わかりやすく「ここで泣いてください!!」みたいなシーンがいくつかありますが感動気なBGMを使い(あいみょんの曲もこんな使われ方してます)無理矢理盛り上げているだけでキャラクターが自分の内面を大声で長々と叫ぶダサいセリフがあるだけでこちらは置いてきぼりを食らうだけです。演出、脚本全てにおいてダサいです。
特に脚本は致命的に練り不足感があります。
②キャラに魅了なさすぎ
この手の映画はまずはキャラの魅力で見せなければいけないと思いますが、これが誰1人として魅力的なキャラがいません(強いて言うとしんのすけくらいです)
あおい・・・行動原理が一貫せず終始感情移入ができない。主役にすることによって物語のテーマを無駄に増やしているだけに見える。
あかね ・・・あおいを苦労しながら大切に育ててきたという割りには「東京に出て、バンド組んで食っていく」というどう考えても無茶な進路になんかやんわりとしか反対していないところを見ると関心がないようにしか見えない。「こんなお姉ちゃんがいたら最高だよね」という気持ちの悪い妄想を詰め込んだ人形みたいなキャラ
みちんこ・・・息子の前で母親は浮気して俺を捨てたクソ野郎だ的な発言をする善人のフリをしたサイコパス
つぐ・・・どう考えても小学生には思えないセリフに全く説得力がないし、あおいに惚れた瞬間や理由がないため非常に薄っぺらいキャラ
③音楽フェスどうなったの?
かなり序盤から振られていた音楽フェスがとってつけたような「崖崩れにあかねが巻き込まれた案件」にクライマックスシーンを取って代わられているところはどう考えても不自然だし、あれだけ練習シーンを積み重ねていたのに本番を描きもしない点は製作段階で何か問題があったのではと思ってしまうほどです。ここにはもうあきれるほかありません。
④大事なことはセリフでわかりやすくお伝えする
基本的にキャラが内に秘めている大事なことは全てそのキャラ自身が大声で叫んでくれます。よく言えば親切、悪くいうと単調、演出力不足、単純にダサいです。
私は悪くとりました。「あの花」を見たときにも感じたダサさですが、今回はそれがより凝縮されて背筋凍るような瞬間がいくつもあります。10年くらい前に見たノリをそのまま何1つとして進歩させずにそのままやっているので今見るのは正直辛かったです。
まだまだダメなところを挙げればきりがない映画ですが、吉沢亮さんの演技の切り替えは素晴らしかったです。
あらゆる要素が巧みに構築されている傑作
あの花、ここさけに続く三部作完結編。
あの花とは媒体とフォーマットが違うので単純に比較することはできないものの、三部作の最高傑作でした。
本作はジョブナイルであり、失恋物でもあります。そして家族を描いた作品でもあります。感覚としてジョブナイル:失恋:家族=5:2:4でした。
ジョブナイル的な登場人物の心理的成長は前二作でも描かれてきましたが、本作では家族の要素と失恋という要素が加わったことになります。
川村元気氏がプロデューサーとして名を連ねていることもあり、新海誠監督作品が脳を散らつきました。しかし、新海誠監督の描く失恋には停滞からの解放以外の救いの要素はありません。一方で本作は姉妹という関係によって救いの要素があるのが印象的でした。
されど、空の青さを知る。
幾度となく出てくるこのワードは「あかね」が自分の夢を諦めて得た幸せであり、逃げるように東京に出ようとしていた「あおい」が描いていた幸せでもあります。そして「しんの」にとっては「あかね」といることであったはずです。
3人は井の中の蛙だったのかもしれないが、空の青さという小さな幸せを確かに得る。フィクションのハッピーエンドではなく、リアルなハッピーエンドであったことが、エンディングのラストのドレス姿の姉妹の姿から見て取れました。
失恋でありながらハッピーエンドである点に加えて、本作で印象的だったのは、舞台装置・人物関係などの要素の巧みさです。
「慎之介」と「しんの」が互いに思っていること。単純な成功/失敗と言い表せない関係性。
「しんの」を閉じ込めている物理的な壁と「あおい」が葛藤し踏み出せない心理的な壁。
「慎之介」が大海に出る為に置いて行ったギター。
それらを全て踏み出すことによる変化として描かれた、空を飛ぶシーンの直前の御堂のシーンは秀逸の一言でした。
個人的にはどれも刺さるテーマであり、中盤以降涙が止まりませんでした。一方で、みごとな調和があるものの尖っているという感覚がなく、私の中の何かの一番にはならなかったという感覚があります。
今こうして感じている感覚と実際に受けた衝動の差が、シンプルに見せるだけの巧みさを感じます。何回か見ることによって、また新しい発見がありそうです。
それぞれの想い
3人の隠していた想いが、ある1人の出現によって引き出されて、気持ちをハッキリさせることが出来る。あの時にああしていれば…というのは、人間誰でもあるけど、それを具現化できたのは、この作品を見た人を勇気づけられますね。あかねさんは素敵です。
まさかの今年最高かも
あまり期待せずに、行ってみたら
大当たりでした。
あか姉が、もう素敵過ぎです。
全く自然で、普通の声優さんと思って観てました。
昔、持っていた熱い気持ちをどこに閉じ込めてきたんだろう。
背景も綺麗ですし、音楽もいい。
脚本も言うことなしで、少しほっこりして、気持ちよく劇場を後にできます。
これは、この先も時々見直したいと思いました。
まさに、人に薦めたくて仕方ない作品です。
迷っている方は、騙されたと思って観に行って観てほしいですね。
"愛"
超平和バスターズが作る作品は未成年のどこか足りない部分を描いてくれる感じが好きです。「あの花」や「ここさけ」で味わったどこか切なくとも温かい今を生きる少年少女たちのお話。
今作は少しだけ年齢対象を上げたように感じます。人間の弱い部分が「ここさけ」よりも目立たない分、葛藤が強く描かれているように思います。
あおい、あかね、2人のしんの。
4人がそれぞれ違う葛藤を背負ってるけどそれを序盤は前面には押し出さない。ついキャラクター達に感情移入してしまいます。感情を中盤から終盤にかけてスクリーンを飛び出してくるかの勢いで心にズドンと落とし込んでくれる。
しんのとあかねが御堂を飛び出して、全速力全開で空を飛ぶなんてぶっ飛びすぎて微笑んでしまいました。でもなんか"自由"を感じました。こんぐらい吹っ切れれば葛藤も苦悩も踏み倒して前へ進めるのかなって思いました。可愛いし、格好いいよなぁ。眩しいなぁ。
そのシーンに合わせて流れてくれる「空の青さを知る人よ」はもう最高すぎです。あっという間に過ぎてしまう
!流すタイミングが最高です。
まだ何かを自由に描くことができる年齢だからこそ青い部分にのめり込めました。でも今はどの年齢でも夢を描ける時代です。真っ直ぐに時々曲がって生きていきたいです。
この映画を作ってくださり、ありがとうございます。
恋愛を軸にした姉妹愛のお話
井の中の蛙 大海を知らず、
されど空の青さを知る
ことわざ的には周りが見えていなくとも一つのことを突き詰めればその深いところまで知れるという意味ですが、個人的には空の青さは人生における大切なものではないかなと思いました。
今回のお話はその空の青さを主要人物みんなが見つけるシナリオだったと思います。
あかねは両親が亡くなって東京に出ることができなくなった井の中の蛙、ですが、あおいと2人でつつましくも楽しく生きていくという空の青さを知っていた。正直お姉ちゃん半端ねえと思います。
慎之介は東京にでて人生の厳しさを知ってもなお夢をずっと追い続ける井の中の蛙、でも戻ってきて人生を振り返って空の青さを知る。
あおいは東京に出てバンドをやることしか見えていない井の中の蛙、しかしシンノと出会って世の中には色んな青いものがあると知る。
シナリオはコンパクトにまとまっていながらも深みのあるお話だったと思います。学生から30代ぐらいの人々に見てほしい作品ですね。
あと個人的に注目してほしいのが音響です。イヤホンをつけるシーンやバンドシーンなどこだわりのあるサウンドになっていると思います。
合わせてベースやギターの演奏シーンの作画ど動画も素晴らしかったです。
そして今回一番驚いたのが俳優さんの声当てがうまい。本当にうまかった。最近、ネームバリューで俳優を起用した劇場アニメーションが多く、違和感のある演技の人が多かったですが、今回は本当に良かったと思います。特にシンノと慎之介の対面するシーンでも声の使い分けがしっかりされており驚きでした。
ただ個人的に少しだけ惜しいと思ったのが主題歌です。あいみょんの歌詞と歌声はとてもあっていて良かったのですが、サビの盛り上がりが少し弱いせいで映像の盛り上がりとマッチしていなかったような気がしました。
マリィらしい最後にジーンとくるような大変しみ入る作品でした。
超平和バスターズ原作!!
かなり、期待して鑑賞……!
期待を裏切らない作品です!!
あおい・あかね・慎之介(しんの)の四角関係?で、話がすすみ……あおいの淡い初恋。あかね…慎之介の恋の行方!しんのが現れた真相などを巻き込みながら、感動の作品に出会えました。感謝…感謝!
エンドロールに、あおい・あかね…慎之介のその後が……。いい映画でした。
アオハルだねえ
悪い作品ではないです。エンドロール中の静止画でエピローグが描かれてるので、見逃さないようにね。でも超感動的でもなかったな。葵ちゃんのあまりの子供っぷりに、親世代のおじさん・おばさんはちょっといらいらしましたね。お堂に閉じ込められてる「しんの」は、過去に自分が閉じ込めた自分自身。解放のきっかけは「あかねえ」のピンチというのはちょっとべたやなあ。むしろ、葵ちゃんの成長に焦点を当てた方がよかったのになあと個人的には感じました。あと声優として吉沢亮さん、吉岡里穂さんの声はとても良かったです。
悪くは無いけど、良くも無い。期待が強すぎたせいかも…
『あの花』『ここさけ』どちらも大好きな作品で、今回も物凄く期待して初日に鑑賞しましたが…正直、「あれっ?」と思ってしまったのが正直な所です。
決して酷い映画ではないんですが、特筆すべき点も無いというか…
原因の殆どは脚本にあります。
最大の問題点は、主人公の「あおい」がストーリーにあまり絡んでいない点でしょう。
今作のストーリーを一言で述べると『「あかね」と「慎之介」が復縁するまでの話』で
説明できてしまうんですが、不自然なほど「あおい」が関わってきません。
狂言回しとしての役割も不十分で、極端な話「あおい」無しでも話が成立してしまいます。
主人公の「あおい」を積極的に話に絡ませる機会は結構あったんです。…例えば
①「しんの」を成仏?させるために「あかね」と「慎之介」を復縁させる。
②「慎之介」が嫌な奴だから「みちんこ」とくっつける!
…というような台詞はでてくるのですが、じゃあ具体的に何かしたか?というと、特に何も
してないんですよね。
「あおい」が「しんの」を好きになる描写がほとんど無いのも疑問です。
音楽祭に代理で出ることになった「あおい」が御堂で練習する場面があるのに、何故かここで「しんの」との交流描写が殆ど無い…好きになっていく過程を見せる絶好の機会なのに!
普通の作劇法で考えると、「あおい」が音楽祭に代理参加するという大きなイベントを設定した以上、それに向けてストーリーを収束させていくべきだと思うんです。
なのに何故か音楽祭のことが脇に追いやられ、唐突に発生した(これももっと雨の描写があれば説得力あったのに…)土砂崩れがクライマックスに繋がるという…
一体何でこんなことになってしまったのか?…あくまで推測ですが、
『あの花』『ここさけ』と同じ展開になるのを避け、奇をてらった結果かな…と思います。
成仏させるために頑張るのは『あの花』だし、
イベントに向けての交流過程を描き、そこを終点に収束させるのは『ここさけ』だし…
そのあたりを差別化していった結果、今ひとつ盛り上がりに欠ける映画になってしまった気がします。そんなことなら、中途半端に前作と似た設定にするのではなく、もっと別のテーマで作ったほうが良かったのではないでしょうか。
最大の問題点は、『故郷を捨て、東京に行った』話を、秩父を舞台に描くのが無理がある点です。秩父から池袋まで、一時間ちょっとで行けるんですよ?
もっと地方(東北とか)ならともかく、遠距離とも言えないような距離で終わった恋について過去の恋がどうのこうのと、特別なもののように言われても…説得力ない気がします。
このあたりもテーマ選びを間違えてるとしか思えないんですよね…。
ネガティヴvs.ポジティヴ
“幽霊”、“妖精”、そして今作は“生き霊”と、オカルトファンタジーをトリガーに秩父の街を舞台にした青春甘酸っぱい系にカテゴライズされる作品である。但し、自分が思うに、今作は前2作と比べてパンチが弱かったような印象を受けるのだがどうだろうか…。タイトル名の前句の有名な諺である井戸=秩父盆地という意味づけは、地質的に納得出来る。前回に比べてコマの動き、キャラの造形がギャグ要素、オーバー要素を入れ込んでいるのは挑戦的である。
ただ、今回のストーリー設定が、アイデアとしてトリッキーだったのにそれを覆すほどのカウンターが無くて、驚くものを得られなかったのが残念であった。ゴダイゴのガンダーラ、サンダーバードのベース、目の中のホクロ等々、キャッチーなギミックは散りばめられてはいるが物語を駆動させるための牽引力にはなれない。そもそもが両親が亡くなり、姉妹二人で健気に生きてきた人生で、お互いを思いやっている構図はそれ程目新しさはなく、スパイスとしてその姉妹が若い時期と年齢を重ねた時期の同じ人物を好きになるというアイデアを起用したのは面白かった。その中で姉のキャラの弱さに展開上、化けることを予想したのだが、それ程のドラマ性は表現せず、「応援しないことを後悔したくない」という着地点に於いて、夢を応援することも又生き甲斐と成り得ることを訴えて、ポジティヴな引き出しを開けようとするテーマ性を表現したかったのだろう。激辛かもしれないが、姉が男に、妹が男に似てるでしょと言葉を投げかけた時、これが作品の深みを増すギミックだと悟ったのだが、どうもこれは自分の勘違い。実は未だ幼い時に、姉と男の犯した過ち故の妊娠出産で育った実子が主人公と思ったのだが、どうもゲスの勘ぐりの様で、只単に性格が似ているというレベルらしい。折角のラストスパートの推進力だったと思ったのだが、考えすぎなんだろうな自分は…
前二作よりもより地域振興映画色が強くなっていて、そこにも少々鼻白む雰囲気を感じてしまっただけに、今作のアッと驚く仕掛けが無かった事への残念感を強く印象付けられた内容であった。
三部作?の中ではいちばんの出来かと
「あの花」「ここさけ」に続く、超平和バスターズの新作ですよ。
これは期待せずにはいられません。
実は前の二作については、あのラスト(結末)は、個人的には「納得」はしていても「満足」してなかったんですよね。
それが今回は満足したというか、幸せな気持ちで劇場を出ることができました(^▽^)/
いちばん感動したシーンは、落盤事故に巻き込まれたあかねを助けに行くときに、あおいとシンノが空中を駆け抜けていくところで、あいみょんの劇中歌や、今回のキーワード「されど空の青さを知る」とあいまって少し涙が出てしまいました。
主役陣をプロパーの声優さんではなく、(経験はある人もいますが)普通の役者さんが担当したことに対する不安がありましたが、吉沢亮さんと若山詩音さんはほぼ満点でした。特にあおい役の若山さんは素晴らしい。
吉岡里穂さんは悪くはないものの、多少不慣れな感じは否めず、これが例えば早見沙織さんあたりが演じていたら星5つでしたね。吉岡さんゴメンナサイ(>_<)
でもあかねさんも幸せになって何よりです(*´з`)
アニメだけど働き盛りの大人たちに捧げる映画?
私の主観的感想なので間違っているかもしれない。
この物語の主人公の(高3?)女子高生の視点で物語は進んでいくがキーパーソンのシンノ君と慎之介さんがこの物語を紡いでいるのである意味でこの男が主人公なのかもしれない。
それでもやはり最大の見せ場は、後半のテーマソングと共に描かれる主人公とシンノのひとときの淡い想いを通わせるシーンだと思う。
「あの花」で描かれたメンマとジンタンのような互いを想う強い絆とは違い、実らせることが出来ないという辛い結果を知りつつも後輩女子の不器用なアツイ気持ちをそのまま受けとめる先輩男子の包容力感が表現されてて清々しくも儚げで、それをスクリーンいっぱいに空の青さで表現されていてとても美しかった。そして、その場面の終盤にポツリと「空、青いね。」が物語と観客の心を強く繋げた最高の台詞だと思う。なぜなら、私はその台詞で中学の頃の淡い気持ちを思い出させてもらえれたから。
すごく泣ける映画というわけではないが地元の仲間や故郷、家族、学生の頃の自分など、ノスタルジックな映画でした。
全84件中、61~80件目を表示