CURED キュアードのレビュー・感想・評価
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笑うに笑えない、こんなゾンビは嫌だ
コロナ禍のさなかに鑑賞ということになってしまい、どうしても今の状況に置き換えた見方になってしまいました。
たとえば、近所にあのクルーズ船から帰宅した人がいる、とか、卒業旅行などで子供がヨーロッパから帰ってきたばかりの家庭における家族間の疑心暗鬼な心理とか…若年層は症状が出にくいし、潜伏期間が長いと聞かされているので親としても不安になるはずです。
でも、この映画から汲み取るテーマを、差別や排除に比重を置くのではなく、犯した罪に対しての〝赦し〟について、と捉えてみると少し違う景色が見えてきます。
たとえば、たくさんの死傷者が出てしまった列車の脱線事故において、その運転士にとっては理不尽で避けられなかったのだと思えるような理由があったとしても、被害者家族にとっては取り返しのつかない事態の結果を受け止めるしかないわけで、加害者側の事情などは言い訳にしか聞こえない。
加害者側の贖罪、被害者側関係者の心の置きどころなどについて、なんとも言えないやり切れなさを感じています。
こんなに人間臭いゾンビだと、殺られていくさまもなかなか正視できませんでした。
パルチザン
メイズ・ウイルス=ゾンビウイルスが大流行した6年後、治療薬が開発されゾンビが治る様になった世界で起こる差別問題の話。
ゾンビだった頃の記憶もあるし、ゾンビだった時も意識はあったというところから、忌み嫌われて差別を受けて、収容所から出て来ても迫害されてなかなか人間らしく暮らせない社会という設定からの、人権問題を語るストーリー。
ホラーじゃあるまいし、突然の大音量で驚かす演出やゾンビ時代のフラッシュバックを交えつつ展開していくけれど、ゾンビの名を借りた人権問題論議がずーっと繰り返されて面倒くさいしテンポが最悪。
そんな堅苦しさがあるのに、回復者はもうかからない…ってことは抗体があるはずなのに、治療薬はあってもワクチンはないのですね。
とか、理屈で考えるとダメになる矛盾。
ラスト20分ぐらいはまあみられるけど、それも中途半端だし、メッセージはわかるけれど映画として退屈だった。
。
まるで今の僕達の世界
新型コロナウィルス肺炎にWHOがパンデミック宣言をした。
何というタイミングだと思いながら足を運んだが、そこには、僕達の世界そのものがあった。
CURED(回復者)と呼ばれるゾンビから回復した者たちは、まるで僕達の世界で排斥される移民者のようだ。
人々は、もうゾンビに襲われることのない回復者を恐れ、回復者の増加を嫌い、回復措置さえ中止しようとする。
国連の中途半端な撤退の話も、国際社会のようで少し笑わされる。
そして、ゾンビの記憶に苛まれる回復者は、何らかの依存症で苦しむ人のようでもある。
彼らは、常に差別や好奇の目から逃れることは出来ないのだ。
人々と回復者との対立、抗争。
その中で悩み苦しむ人々。
僕達の国でも、中韓を中心に外国人を忌み嫌う人は多いし、過去には、ハンセン病患者を過度に隔離して人権を無視するような行為が長く続いた。
この作品で描かれる世界は、まるで僕達の生きる世界だ。
僕はゾンビ映画を多く観ているわけではないが、これは際立って秀作だと思う。
残念ながら
ゾンビ化ウィルスからの回復に現実世界の分断を託す、というやり方は分かる。アリ。
でもね、話運びが決定的に下手すぎる。つまらない。
回復者の暗闘にフォーカスしすぎて小さい話になっちゃった…
もっと上手く料理できるはず。
主人公に苛立ち
どの視点で見るかで感想は大きく変わりそうなストーリーに思えた。
非感染者、感染者もしくは回復者どちらにも肩入れせずに見ようとしたが気づいたら最終的には非感染者の視点で見てしまっておりコナーへの不快感と主人公のセナンとアビーに苛立ちを感じてしまった。
ストーリーは予告で流れていた通りゾンビ化した人間が健常者として回復するものの、社会からは拒まれ政府から殺害されるのではないかという噂が流れる。
その為回復者は社会、政府に反逆すると言った話だ。
その反逆者を率いるリーダーがセナンの知人であるコナーになるのだが、こいつがまぁ悪い奴である。
自分が家族、社会から受け入れてもらえないことから、家族に受け入れてもらってるセナンに嫉妬し、彼に対して数々の悪事を行うのだが、セナンもアビーも躊躇した行動が多く自ら穴に嵌りに行くシーンが多い。
最終的にはコナーの思惑通りに話が終わりバッドエンド。
バッドエンドで終わる作品はやはり気持ちが良いもんではないが、この作品はストーリーに合わせて登場人物が動いてる感を時折感じてしまい、主人公目線でストーリーを追うと苛立ちは隠せなかった。
大袈裟にいうと24のジャックの娘のキムを思い出すような…
まぁただゾンビ映画とあって、適度のサプライズシーンが多数ある為、スリリングな気持ちで楽しめたのは良かった。
続編があるならあの街がどうなったかは凄く気になる。
ネタがつきないゾンビもの。
つきることなくこのたぐいの作品が登場するけどなかなか面白かった。
もと感染者に寄せられる差別に対するテロ行為が怖い。差別する方も暴力的には変わらないけれど。
淡々と進む展開だけど後半しっかり暴れるシーンがあってもりあがりました。
ネタバレもあるが、主演のエレン・ペイジに一言。
この映画を評して、今までのゾンビ映画として位置付けるよりは、どちらかというと社会派ドラマとして成立しているというかたもおられる。つまりゾンビ菌自体を、映画の題名通り、25%の感染者を除いて、感染を克服したような世界観を描いているからだと思うのだが......。
アイルランドの映画と聞いて、暗い映画を想像してしまったので、二の足を踏んでいたのだが、観終わって、面白い映画の印象が強いうえに海外向けに作ったのかどうかは知らないが、分かりやすく、また聞き取りやすい英語を使っていたのだが、もともとは、ゲール語を使い、イギリスの植民地の為にやむを得ず英語を使わなければならない経緯があるのだが、それとは別にりシナリオ自体が元感染者に対する社会の風あたりや主人公の暗い顔つきを見ているとテンションがどうしても下がるけれども、そんな中でも主人公と甥の関係が、映画を少しは和らげている。
Are you one of the Cured ?
-Yeah.
Will you be sick again ?
-I don't think so.
Is it nice to be back ?
-Yeah. It is.
1時間くらいは、何とも憂うつにするもので特に、主人公のセナが見るnon-linear narrative形式のフラッシュバックがそのものとなり彼を苦しめるものとなる。
NPRというアメリカの非営利ラジオ局の人がこのように言っている。「この映画は、興行的には疑いはないが、まっとうなゾンビ映画を政治色を出すことによって興味をそがれた。」なぜかと思っていると最後のほうに余計なシナリオが散見した。それもそのはずでアビー役のカナダ人俳優で、しかも政治色の強いエレン・ペイジが主演を務め前回観た「Into the Forest(2015)」では、今回と同様に映画製作にかかわり、原作が小さな本屋から口コミだけでベストセラーになった小説が原作の映画を見事にA box-office bombにし、つまらない映画としたアンポンタン監督のもと制作者の一人が彼女だったのを思い出させる余計なシーンが登場する。
1時間を過ぎたところから、ゾンビ映画らしくなっていくのだが.......?
I did tell you, Conor.
It's not your world any more.
イギリスの日曜版新聞紙Sunday Times (UK)の記者は、「血に濡れたものから作られた世界観があまりにも細かく描かれたせいで、荘厳なものよりは、どちらかというと安っぽいホラー映画という印象を残した。」と投稿している。
たとえが悪いかもしれないが、序盤だけを見ているとハンセン氏病患者と健常者の関係をベースにしているのではないかというようなことを邪推してしまうし、またアイルランドとイギリスの関係のようにも見えてくる。
アイルランドと言えば"IRA"と切っては切れない関係があるのは、ご存知の方は多いと思われるが、映画もおのずと見る機会は多くなるのだが、そんな中でもこの映画の特徴として、設定にある意味、意外性だけで持っていると言えば、言い過ぎになるのか...?
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